【国民民主党】代表は玉木雄一郎!政策や理念・立憲民主党との違いは?
国民民主党ってどんな政党?成り立ちから政策まで徹底解説
国民民主党は、旧民主党の保守派たちの系譜を受け継ぐ国政政党です。しかし、支持率は1%前後と、かなり低いため、党の存在すらあまり知らないという人が多いのではないでしょうか。今回はそんな国民民主党について解説していきます。
国民民主党の概要
- 代表:玉木雄一郎
- 代表代行:大塚耕平
- 副代表:浜野喜史、磯崎哲史
- 幹事長:榛葉賀津也
- 参議院議員会長:船山康江
- 設立:2020年
- 国会議員数:17人(衆議院7人、参議院10人)
- 都道府県議員数:37人
- 市区町村議員数:191人
- 党員・サポーター数:36,682人(2023年8月 代表選挙有権者数)
民進党が複数に分裂・結党
事の始まりは、2017年までさかのぼります。第48回衆議院議員総選挙をきっかけに分裂した民進党はその後、立憲民主党や国民民主党、そのほかのグループに別れました。
2020年、立憲民主党と国民民主党の間で合流に向けた協議が進められ、同年8月24日、両党は解党したうえで合流することで一致。
しかし、国民民主党の党首であった玉木雄一郎氏や代表代行前原誠司氏などを筆頭に13人の国会議員が合流を拒否。国民民主党は、暫定的な政党「民主党」と新「国民民主党」に分裂することになるのです。
今後はこの新たな国民民主党の方を「国民民主党」、分裂もとになった政党を「旧国民民主党」と呼称します。代表には引き続き玉木氏が就任。2021年3月24日には所属する国会議員数は19人になり、党は成長しました。
野党共闘から離脱し独自路線へ
2021年11月4日、役員会にてこれまで衆議院の国会対応で構成してきた共産党、社民党、立憲民主党との枠組みから離脱を決定。独自路線を歩むことになります。
また、2022年1月13日、国民民主は東京都知事の小池百合子が最高顧問を務める東京都の地域政党「都民ファーストの会」と、同年夏に開催予定の参議院選挙に向けて東京選挙区で候補者を一本化する方向で調整。
自民党に接近
2022年2月21日の衆院予算委員会では国民民主党が求めているガソリン税を一時的に引き下げる「トリガー条項」について、岸田総理が「トリガー条項も含めてあらゆる選択肢を排除せず、さらなる対策を早急に検討したい」と発言。これを受け、国民民主党は言質を取ったと判断し、2022年度の予算案に賛成しました。
また、同年11月29日、国民民主党は参院選公約として訴えた電気代の値下げなどが実現したことを評価し、令和4年度の第2次補正予算案に賛成しました。
さらに、2022年からは自民党の副総裁麻生太郎氏や幹事長茂木敏充氏が水面下で玉木氏と接触し、自公連立政権に国民民主党を加えた「大連立」について協議を進めていました。しかし、この案に公明党は猛反発。岸田総理は「私自身、考えていない」と言明し、玉木氏も「承知していないし、そうした事実はない。」と釈明しました。
2023年8月21日、玉木氏の代表任期満了に伴う党代表選が行われ、玉木氏と前原氏の2名が立候補しました。結果は玉木氏80ポイント、前原氏31ポイント。玉木氏の圧勝でした。
玉木氏は「共産と一緒にやることは、われわれにはあり得ない。その枠組みに加わることはないし、できない」と反共産主義を示しつつ、地方組織の判断を尊重する姿勢を見せました。
同年10月20日に開会した国会においては、党が求める燃料価格高騰対策としてガソリン税を一時的に下げるトリガー条項の凍結解除に向け、与党が協議に応じる考えを示したことを評価し、11月24日の党会議で補正予算案に賛成する方針を決めました。
採決では日本維新の会とともに補正予算案に賛成し、補正予算が成立しました。
前原氏らが国民民主党を離脱する
11月30日、代表代行の前原氏が与党に接近する玉木氏の党運営を批判し、離党する意向であることが各メディアで伝えられました。
前原氏は4人の国会議員とともに「教育無償化を実現する会」を結成し、国民民主党はさらに分裂することになったのです。
政策・考え方
ここでは、国民民主党の政策や考え方を、ジャンル別に紹介していきます。
憲法
国民とともに積極的に憲法改正に関する議論を行うことを方針とし、緊急事態条項の設置を目指しています。
外交・安全保障
国民民主党は、食料自給率50%を目指しており、日米同盟を基軸としつつも自立した安全保障体制の構築を掲げています。また、防衛費を増額し、反撃能力を保有することも視野に入れています。
また、これまで避けられてきた非核三原則に関しても、解釈に関する議論を促進させようとしています。
経済
需要が供給を上回るようにし、消費や投資を活性化させ、賃金上昇を狙う「高圧経済」を目指しています。
他にもベーシックインカムの導入、中小企業支援、最低賃金の引き上げなども掲げています。
教育
国民民主党は、「人づくりこそ国づくり」とし、教育や科学技術に関する予算の倍増を主張しています。幼稚園・保育園から高校までを無償化することを国の最重要課題としています。
ほかにも、義務教育を3歳からに引き下げ、教材費や制服代の自己負担の廃止、社会人の学び直しの推進なども掲げています。
国民民主党と立憲民主党の違いは?
国民民主党と立憲民主党は、同じ旧民主党から枝分かれした政党です。しかし、新型コロナに関する改正特別措置法に関して、休業要請に応じなかった事業者に対し罰則を課す案に対し、立憲民主党は改正に賛成したものの、国民民主党は見直しが不十分だとし、立憲民主党に歩調を合わせることはありませんでした。
また憲法改正に関しても、国民民主党は積極的な改正に向けた議論を呼びかけているのに対し、立憲民主党は憲法改正こそ否定していませんが、消極的な姿勢であるなど、重要な政策において決定的な違いがみられます。
主な政治家
玉木雄一郎
榛葉賀津也
まとめ
国民民主党は、これまで「提案型野党」として様々な政策を自民党に提案してきました。複雑な歴史を有する政党ですが、この党が実現した政策は数多くあります。
国政選挙の際には必ず名前の出る政党ですので、この機会に覚えておきましょう。
参考になるサイト
- NHK|政党支持率|https://www.nhk.or.jp/senkyo/shijiritsu/
- 総務省|政治資金規正法に基づく政治団体の届出|https://www.soumu.go.jp/main_content/000706836.pdf
- FNN|今夏の参院選に向けて 今週から「都民ファ」と“連携”協議へ 国民・玉木代表|https://www.fnn.jp/articles/-/301348
- 産経新聞|国民民主が本予算案に異例の賛成 野党に戸惑いの声|https://www.sankei.com/article/20220221-DQWAF5RA2JNWFL5LTWCH6PCVMU/
- 国民民主党|【衆予算委】政府提出の令和4年度補正予算(第2号)に賛成|https://new-kokumin.jp/news/diet/20221129_2
- 読売新聞|解散時期探る首相「いつやってもいいと思ってる」…「月内」「今秋」両にらみ|https://www.yomiuri.co.jp/politics/20230610-OYT1T50309/3/
- 時事.com|自民、国民と連立検討 局面転換狙う、玉木氏入閣案―公明反発も、実現不透明|https://web.archive.org/web/20221202232325/https://www.jiji.com/jc/article?k=2022120201018&g=pol
- 日本経済新聞|国民民主・玉木氏「与野党超え協力」 連立重ねて否定|https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA032UI0T01C22A2000000/
- 産経新聞|国民・玉木代表、共産含む共闘は「あり得ない」 衆参補選巡り否定的見解|https://www.sankei.com/article/20230926-LWXMVAWQ2RM5PNDHAFTLZLFCAE/
- 朝日新聞|補正予算に維新、国民民主が賛成、そのわけは? ほど遠い「一枚岩」|https://www.asahi.com/articles/ASRCY6F98RCYUTFK008.html
- 産経新聞|国民民主・前原誠司氏、新党結成目指し離党へ|https://www.sankei.com/article/20231130-UUKZ7BKS5ZII5LE2PSOTL7VUN4/
- NHK|立民と国民 連合を悩ます“不仲”|https://www.nhk.or.jp/politics/articles/feature/59782.html