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【日本国憲法】成り立ちや改正を巡る各党の立場はどうなってるの?

hensyubu

現行憲法である「日本国憲法」を徹底解説

今回はニュースでもよく話題になる日本国憲法について解説していきます。憲法とは一体なんなのか、法律との違い、各政党の憲法への立場などを説明しているので、ぜひご覧ください。

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憲法ってそもそも一体?

憲法は、国民の権利と自由を守るために、国がやってはいけないこと(またはやるべきこと)について、国民が定めた決まり(最高法規)です。(日本弁護士連合会HPから引用)

国民が制定した憲法により、国家権力の暴走を防ぎ、国民全員の人権を守ることを立憲主義といいます。国民の権利と自由を守るといった観点から、多くの立憲主義の国では、憲法を変えるには普通の法律を変えるよりも厳しい手続きが必要とされています。

法律・条例との位置付け

では、憲法と法律ではどのような違いがあり、どういった関係の位置付けとなっているのでしょうか。

まず、憲法は国の最高法規とされています。最高法規とは、国内において一番効力の強いルールということであり、他に作られるルールは憲法に違反しないものでなければなりません。このため、立法府である国会で作られる法律は、全て憲法に従い作られ、司法権をもつ裁判所が憲法に違反していないかを監視しています(違法立法審査権)。

つまり、憲法は国民が国家権力に対しての決まりを決めて、国家権力はそれに従う形で国民や行政機関に対して法律を作り、そのもとで国のはたらきを行うといった関係になっています。

日本国憲法の三原則

ここからは、現在の日本の憲法である日本国憲法について見ていきます。日本国憲法には、基本的な考え方が3つ掲げられています。国民主権・平和主義・基本的人権の尊重です。

国民主権

日本国憲法の前文には、「ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する」(日本国憲法前文)と規定されています。主権というのは、国のあり方を最終的に決める権利のことです。日本では国の仕組みを決める国会議員を直接選挙して、間接的には国民が国の仕組みを決めていくこと、国の最高放棄である日本国憲法の改正の際には国民投票を行うこと、などといった形で保障されています。

なお、日本国憲法制定以前の大日本帝国憲法では、国の主権は天皇にあるとされていました。現代の日本国憲法では、天皇は日本国の象徴・日本国民統合の象徴と位置付けられています。

平和主義

日本国憲法の前文では「恒久平和主義」を掲げ、第9条では戦争の放棄・戦力の不保持を明記しています。第2次世界大戦の反省が生かされているとされています。なお、憲法9条に関しては、自衛隊や米軍の駐留などとの整合性や個別的自衛権または集団的自衛権との関係性など様々な議論があります。

基本的人権の尊重

人間が生まれながらにして持っている、人間らしく生きる権利を基本的人権といいます。第11条では、基本的人権を「侵すことのできない永久の権利」としています。具体的には、平等権・自由権・社会権・請求権・社会権などがあり、各条文で保障されています。また、日本国憲法制定時には想定されなかった環境権・プライバシーの権利といった権利をあたらしい人権と呼び、法律でそれを定めたり、改正時に書き加えたりといった議論もあります。

制定までの過程

日本国憲法が制定されたのは、第二次世界大戦後の時期になります。戦後すぐに当時の内閣が作った憲法案(松本案)が提出されましたが、当時日本を統治していたGHQに大日本帝国憲法と内容が変わっていないと拒否されてしまいます。

その後、GHQ案をもとに政府の最終案が、帝国議会で可決されます。日本国憲法は、1946年11月3日に公布され、1947年5月3日に施行されました。それから現在まで、一切修正されていません。

大日本帝国憲法との違い

大日本帝国憲法は、天皇中心の国づくりを目指す明治政府を中心に作成されました。君主権の強かったプロイセン憲法(現在のドイツ・ポーランドあたりに存在した国)を参考にしてつくられました。天皇を国家元首とする天皇主権の制度や人権保障の不十分さといった、現在の日本国憲法との違いがありました。大日本帝国憲法は、天皇の名の下で制定され、国民に与えられるといった形をとっており、この形を欽定憲法と呼ばれます。一方で、日本国憲法のように国民主権の原則に基づき、国民によって制定された憲法を民定憲法と呼びます。

各政党の憲法改正への立場(2022年参議院議員選挙時)

ここからは、各政党の憲法への立場をまとめていきます。

※2022年参議院議員選挙時の情報をまとめているので、現在の国政政党とは異なる点もございます。

自由民主党

自由民主党は、党として、憲法改正を結党以来の党是とする立場をとっており、2018年に政権公約の重点項目として4項目の改正案を発表しました。自衛隊の明記、緊急事態条項の規定、参議院の合区解消、教育環境の充実の4つをあげています。

立憲民主党

立憲民主党は、自民党の9条に自衛隊を明記する改正案に関しては反対ですが、積極的に議論をする「論憲」を訴えています。特に、情報化時代における人権の保障、内閣による衆議院解散の制約、臨時国会召集の期限明記、各議院の国政調査権の強化、政府の情報公開義務、地方自治の充実等について、議論を深めていくといった立場をとっています。

公明党

公明党は加憲を中心に訴えています。制定時に想定されなかった理念を書き加えるといった立場です。9条に関しては、現行の条項を堅持した上で、自衛隊明記には慎重な立場をとっています。デジタル社会の人権保障や国や国民が環境を保全する責務等を中心に議論を進めていくといった姿勢です。

日本維新の会

日本維新の会は、教育の無償化、統治機構改革、憲法裁判所の設置の3項目について、憲法改正を行うといった姿勢を従来からとっています。2022年参院選前に自衛隊の明記と緊急事態条項の創設も改正項目に追加しました。党の綱領には、憲法改正で「首相公選制」や「一院制(衆参統合)」の実現を目指すことも盛り込まれています。

国民民主党

国民民主党は時代背景に合わせたアップデートが必要として、憲法改正に前向きな立場を持っています。9条に関しては、現実との乖離を解釈変更により埋めてきたことによって、実際の現実を規制する力を失っていると指摘をします。また、いかなる状況であっても立法府の機能を維持できるよう緊急事態条項の創設も訴えます。

日本共産党

日本共産党は、「憲法の全条項を守り、憲法を生かす政治に転換する」ことを基本的な立場に掲げています。特に自民党の掲げる、9条への自衛隊明記と緊急事態条項の創設に関して、強く批判をしており、ジェンダー平等社会の実現など、憲法の精神を生かした新しい日本をつくることを目指しています。

れいわ新選組

れいわ新選組は、「憲法を一言一句変えてはならない、という立場ではないが、今、必要なことは、憲法を変えることではなく、憲法が守られていない社会状況を一刻も早く変えることである」としています。自民党の改正案には、緊急事態条項の創設等を理由に反対をしています。

社会民主党

社会民主党は、前身の社会党の立場である、「護憲平和」と「改憲阻止」を前面に打ち出しています。今の政権では、「生存権」や「幸福追求権」など、憲法が規定する国民の権利が守られていないとして、人々の命と暮らしを守り、ジェンダー平等や多様性のある社会の実現を目指すとしています。

NHK党

NHK党は憲法改正の発議を行い、国民投票を行うことは、貴重な政治参加の機会とし、憲法改正に前向きな立場を示しています。また、憲法が軽視されていると感じざるを得ない行政、政府の実態に対しての懸念も訴えます。9条への自衛隊明記に関しては、戦力の不保持に対しての矛盾も指摘し、戦力の不保持を規定する9条2項の削除も検討すべきとしています。

まとめ

今回は日本の最高法規である憲法についてまとめました。身近なルールである法律が全て憲法をもとにつくられていることがわかれば、根本的な問題がどこにあるのかを考えるきっかけになるのではないでしょうか。

参考になるサイト

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政経百科編集部
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