国内政治

【ねじれ国会】最近はいつ起きた?メリット・デメリットは?〜問題点をわかりやすく解説〜

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【仕組みや原因】ねじれ国会って一体何?

日本の国会には、衆議院と参議院のふたつの議会があります。衆議院・参議院それぞれで選挙があり、議員を選びます。選挙の結果、衆議院と参議院の多数派の政党グループが異なる状況をねじれ国会と呼びます。

そもそも国会ってどんな役割を果たしているのかについては以下の記事をご覧ください。

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衆議院と参議院の制度

衆議院は、任期が4年で解散があります。一方で参議院は、任期が6年で解散はなく、3年ごとに半数ずつ改選されます。

日本では、両議院が同じように直接選挙で選ばれるものの、選挙日程は基本的に異なっており、民意の移り変わりによってねじれ国会といった現象が起こりやすくなっています。

衆議院の優越

ねじれ国会となった場合、効力を発揮するのが衆議院の優越です。これは、衆議院と参議院で異なった意思決定が行われた際に衆議院の決定を優先する制度のことです。

内閣総理大臣の指名や法律案・予算案などが、ことなった場合には、両院協議会や再審議などを経て、衆議院の意思決定を国会としての意思決定とすることができます。

任期が短く、解散があるため、衆議院の方がより民意を反映しているとみなされるからです。

ねじれ国会による問題点

ねじれ国会となった場合にはどのような弊害があるのでしょうか。いちばん大きな弊害は意思決定が難しくなることです。

法律案を見てみると、衆議院を通過し参議院で否決されたものに関しては、両院協議会の意見の一致や衆議院での3分の2以上の賛成による再可決を必要とします。

そのため、意思決定に時間がかかってしまうことや政策を進められないものが出てきてしまいます。

過去4回発生!ねじれ国会はいつ起きたのか?

日本では、自由民主党が結党され、55年体制が始まった1955年以降、これまでに4回ねじれ国会の状況になりました。

1989年参院選後

1989年参院選の結果、参議院において自民党が過半数を失いました。衆議院では自民党の海部俊樹を、参議院では日本社会党の土井たか子を内閣総理大臣指名選挙によって指名することとなり、衆議院の優越によって衆議院が指名する海部俊樹が内閣総理大臣に選ばれました。

消費税廃止法案が参議院で可決されたり、1989年度補正予算が参議院で否決されたり、衆議院・政府与党の方向性が違った議決が参議院されることも多々ありました。

しかし、参院選で一人勝ちとなった日本社会党に対抗して民社党・公明党との連携を深めたり、1990年の衆院選で自民党が勝利したり、比較的与党・自民党ペースで国会運営を進めていたのが実情です。

1998年参院選後

1998年参院選で自民党が惨敗し、参議院で過半数を割ります。その後の内閣総理大臣指名選挙では、衆議院は自民党の小渕恵三、参議院は民主党の菅直人を指名し、小渕恵三内閣が発足します。

政府が提出した金融再生法案が、参議院で提示された野党案をほぼ丸呑みする形で可決されるなど、野党の力が大きかったのも特徴です。

自由党との連立(自自連立内閣)や、公明党との連立(自自公連立内閣)を図ることで、与党で参議院の過半数を確保し連立を解消しました。

2007年参院選後

2007年参院選では、民主党が参議院第一党となり、2009年の衆院選で民主党への政権交代が起こるまでねじれ状態が続きます。

この間、与党自民党は、衆議院において3分の2の議席を確保していたため、重要な法案については再議決することが出来たものの、政府与党は国会運営に苦戦することも多くありました。

2010年参院選後、2012年衆院選後

2010年参院選後には、与党民主党と国民新党の議席を合わせても過半数に満たず、ねじれ状態に陥りました。法的な議事運営権を持つ参議院議長は与党民主党、これまで実際にスケジュール等の調整を行ってきた議運の委員長は野党自民党から選出されるといった異例の体制となりました。

そのため、与党が重要法案と位置付けるものの審議スケジュールに大きく影響が出ました。

まとめ

今回はねじれ国会についてまとめました。

国際的にみても、日本で起こりやすい稀有な現象ですが、政権交代の前後にはねじれ国会が起こりやすいのも特徴です。ねじれ国会を知ることで大まかな国政の歴史がわかるのではないでしょうか。

参考になるサイト

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政経百科編集部
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