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【献金問題】使い道は?寄付・パーティー券制度・キックバックについて解説

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政治家の献金問題・自民党や安倍派議員の政治資金事件の背景を考える

2023年末から政治家の政治資金問題が話題になっています。寄付・献金やパーティ権問題、キックバックなど、今回はその制度と問題のきっかけについて解説していきます。

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政治献金(企業・団体献金等)・パーティー券とはどんな制度?

政治家が、歳費(民間でいうところの給料)や政党助成金などの公金(税金を原資とする公のお金)以外からお金を集める方法は主に以下の二つがあります。

政治資金パーティーとは?

政治資金パーティー(単にパーティーと呼ばれることも)とは、政治活動に使われる政治資金を集める目的で有料開催されるパーティーや宴会のことです。

政治資金規正法8条の2で規定されており、「この催物は、政治資金規正法第8条の2に規定する政治資金パーティーです。」と、参加費の支払いをする人に対して告知する義務があります。

政治資金規正法|https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=323AC100000019420220617504AC0000000068

政治献金(寄付)とは?

政治献金とは、政治家・政治団体や政党に対して資金を提供する行為の事です。企業(法人)が行う企業献金(団体現金)と個人が行う個人献金(カンパ)があります。

海外の例を見ると、フランスやカナダのように企業献金を全面的に禁止している国もあれば、イギリスやドイツのように上限規定のない国もあります。

参考:国立国会図書館「欧米主要諸国の政治資金制度」|https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo1000733po_0454.pdf?contentNo=1

政治資金問題・政治資金パーティーをめぐる事件のきっかけとなる上脇博之教授の告発

自由民主党の5つの派閥に関して、2021年までの4年間におよそ4000万円分の政治資金パーティーの収入を適切に記載しなかったと大学教授の上脇博之氏が告発しました。

この事を、2023年11月以降に複数のメディアが報じたことにより、問題が明るみになりました。

パーティー券収入の不記載はなぜ?

まず話題になったのは、パーティー券収入の不記載についてです。では、不記載にはどのような事情があるのでしょうか?

政治資金パーティーでは、多くの場合に一口2万円程度のパーティー券を購入します。1つの法人や1人の参加者が複数枚購入することも少なくありません。

この場合、政治資金規正法では、1回の政治資金パーティーで同じ人や団体からの20万円以上の支払いを受けた場合は、名前と金額を収支報告書に記載しないといけないとされています。この収支報告書への不記載が問題となりました。

政治団体や複数の議員から、同じ政治資金パーティーのパーティー券の購入を依頼される場合もあったようです。その際に議員ごとに購入したパーティー券は20万円以下だったものの、同じ政治資金パーティーに対して、複数の議員から購入した結果総額20万円以上の支払いをしていたが、これが記載されていないケースがあった事が、NHKの取材により明らかになっています。

参考記事:NHK政治マガジン「1からわかる政治資金事件 自民派閥 いったい何が?」|https://www.nhk.or.jp/politics/articles/feature/104266.html

キックバックとは?

収支報告書への不記載に並び話題にあがるのが、キックバック問題です。これは、派閥(政策集団)のパーティーにおいて各議員が集めた収入の一部を、集めた議員に対して還元して支払った問題です。

複数のメディアの取材によると、安倍派(清和政策研究会)は、所属議員の役職や当選回数に応じて、パーティー券の販売ノルマを課していた事が報じられています。


所属議員がノルマ分を超えて、パーティー券の購入者を集めた場合に、ノルマの超過分をキックバックし、そのキックバック分がパーティー収入や議員側への支出として記載されていない疑いが持たれています。


参考記事:NHK政治マガジン「1からわかる政治資金事件 自民派閥 いったい何が?」|https://www.nhk.or.jp/politics/articles/feature/104266.html

裏金化したお金の使い道やキックバック総額・不記載の理由は?

派閥の政治資金パーティーをめぐる事件を受け、自由民主党は、2月15日に聞き取り調査(ヒアリング)の報告書を発表しました。調査には、組織的な裏金作りを疑われた安倍派、政治資金収支報告書への巨額の不記載が判明した二階派の議員らが対象となっています。

調査チームは、森山裕総務会長を座長とし、複数の党幹部や弁護士で構成されています。調査は、85人(現職国会議員82人、選挙区支部長3人)を中心に行い、そのうち79人が安倍派(清和政策研究会)、6人が二階派(志帥会)でした。

調査の結果、対象者が受け取った資金は総額で5億7949万円(平成30年から令和4年)とされています。

キックバック額・中抜き額と受け取った人数は以下の表のようになります。

キックバック・中抜き額(万円)人数(人)
4-10018
101-50030
501-100017
1001-15007
1501-20007
2001-25003
2501-30002
3001-35000
3501-40001
85

表)朝日新聞デジタル「「派閥からの指示」 自民、裏金事件で91人分のヒアリング結果公表」|https://www.asahi.com/sp/articles/ASS2H627HS2HUTFK00D.html を元に編集部で制作


不記載の理由に関しては、「派閥事務局から収支報告する必要はないと言われていたのを信じていた」など派閥の関与を示すものが複数あった他、スタッフに任せていてチェックが不十分だったことなどもありました。

まとめ

2023年末から話題になっている政治資金問題。これを考えるためには、献金やパーティーの制度を知った上で、操作の流れをみていく必要があります。

参考文献

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政経百科編集部
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