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【郵政民営化】成功?小泉純一郎の行政改革のメリット・デメリット

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小泉純一郎、竹中平蔵が推し進めた郵政民営化とは?

郵政民営化は郵政事業を民間企業が行えるようにした経営改革です。

行政改革の一環として行われました。なぜ郵政が民営化されたのか。その目的と現状を解説します。

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郵政民営化の目的

もともと郵政事業は国によって担われていました。郵政は手紙や小包などを配達する郵便のほか郵便貯金、簡易保険の3つの事業を手がけていました。郵便貯金と簡易保険事業により郵政には約340兆円の資金がありました。日本の国家予算は112兆117億円(2024年度、一般会計)ですから、途方もない金額です。この莫大なお金が特殊法人である特殊法人の日本道路公団や、政府系金融機関の住宅金融公庫に貸し付けられていました。これを財政投融資といいます。

財政投融資で作られるものの中には、収益が見込めない地方の高速道路や、施設などが多く含まれていました。そのため郵政民営化により、このお金を公共ではなく、民間に流れるようにし、経済の活性化に繋げる目的がありました。郵政民営化法案の冒頭にも「この法律は、民間に委ねることが可能なものはできる限りこれに委ねることが、より自由で活力ある経済社会の実現に資する」と記されています。

小泉純一郎氏が郵政民営化を推し進める

この民営化を推し進めたのが2001年から2006年まで総理大臣を務めた小泉純一郎です。小泉は「聖域なき構造改革」をスローガンに掲げ、高い支持率を得ます。行政改革の本丸として2004年に郵政民営化に取りかかります。しかし自民党内から激しい反発に合います。自民党の議員は、地方の郵政関係者から支持を受けている人が少なくなかったためです。

2005年に国会で行われた郵政民営化法案に関する採決では、衆議院では可決されるものの、参議院では自民党の議員内からも反対者が相次ぎ否決されます。

その後、小泉は衆議院を解散し、賛否を国民に問います。これは「郵政解散」と呼ばれます。郵政解散に反対票を投じた自民党議員のもとに別の候補者を立てる「刺客」を送り込みました。選挙の結果は自民党の圧勝となり、郵政民営化は実現しました。

郵政民営化のメリット・デメリット

郵政民営化のメリット

郵政民営化にはどのようなメリットがあるのでしょうか。まずは民営化によって、お金の流れが「官から民」へと変わりました。これまで郵政に集まっていたお金が民間に流れることで、経済の活性化を目指す下地ができあがりました。ほかにも、郵政が銀行業務や保険業務といった分野で、ほかの企業と競争をする形が出来上がったことでサービスの向上が期待されます。

さらに郵政の職員は民営化前は公務員の扱いでした。郵政事業に対しては税制面でも優遇措置が取られていました。民営化によりほかの民間企業と同じ条件で税金を収めるようになりましたので、結果的に国民の税金負担が減ることになりました。これらはメリットと言えます。

郵政民営化のデメリット

それでは郵政民営化のデメリットはどういったものがあるでしょうか。メリットとして「サービスの向上がが期待される」と記しましたが、2024年現在は低下したと見なされるサービスもあります。郵政民営化はお金の流れを大きなところで変える目的がありました。

そのため、直接のメリット、デメリットが利用者のレベルでは実感しにくい実情があります。細かいサービスの部分の変化でデメリットを感じる人は多いと言えます。

具体例としては郵便事業では土曜日の配達や、都市部での翌日配達などが廃止され、到着までに従来よりも時間がかかるようになりました。郵便局の夜間窓口の営業時間も短縮されるなどサービスの低下が指摘されています。

郵政民営化のその

郵政事業は2007年に日本郵便株式会社と4つの事業会社の5つに分かれ民営化されました。その後、2012年に法律案の一部改正が行われ、現在は郵便局、郵政事業、銀行、簡易保険を行う4社体制となっています。

ネットの普及により近年では郵政事情で取り扱う手紙やハガキなど取扱量が減少を続けており、厳しい経営状態が続いています。

まとめ

郵政民営化は、お金の流れを「官から民」へと移すことで、経済の活性化を図る目的がありました。2000年代に総理大臣だった小泉純一郎が構造改革の一環として郵政民営化に取り掛かりますが、自民党内から激しい反対が起こりました。小泉は選挙を通して国民に賛否を問い圧勝し、その後郵政は民営化されました。

参考になるサイト

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政経百科編集部
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