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【政倫審とは?】政治倫理審査会の概要と流れについて

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「政治倫理審査会」通称・政倫審って何?歴史や背景を解説!

政倫審は政治倫理審査会の略称です。新聞やテレビのニュース番組などでよく名前を聞きます。2024年2月には自民党派閥の政治資金問題をめぐって岸田文雄首相が政倫審へ出席し話題となりました。政倫審がそもそも何を審査し、どのような流れを持つのかについて解説していきます。

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政倫審とは?何をするところ?

まずは政倫審の歴史、設置されたきっかけを確認します。

1985年に設置された

衆議院のウェブによれば「政治倫理審査会は、政治倫理の確立のため、議員が「行為規範」その他の法令の規定に著しく違反し、政治的道義的に責任があると認めるかどうかについて審査し、適当な勧告を行う機関」と紹介されています。国会法に基づき第104回国会となる1985年の10月から設置されています。衆議院と参議院それぞれに政倫審があります。長い政治の歴史から見れば、昔からあるものではないとわかります。

なぜ設置されたのか?

政倫審が1985年に設置されたきっかけは、田中角栄元首相がロッキード事件の第一審判決で有罪判決を受けたためです。ロッキード事件は、アメリカの大手航空機会社であるロッキード社が、自社の航空機の受注を有利に進めるために世界各国の政治家に賄賂を渡した大規模な汚職事件です。日本では元首相の田中角栄などが逮捕され、大物政治家への汚職の浸透が明るみになりました。現役の政治家が有罪判決を受けたケースが生じたため、政治家の倫理観の確立が強く求められるようになり政倫審が設置されました。

政治倫理審査会の流れ

それでは政倫審はどのような流れで開かれるのでしょうか。

申立から開催までの流れ

政倫審は委員の3分の1以上が申し立てし、出席委員の過半数が賛成した場合に開かれるのが基本です。1992年に規定が改正され、疑惑を受けた本人の申立によっても開催が可能となりました。そのため、疑惑の渦中にいる人間が申し立てを行い釈明をする場としても用いられます。一方で、本人が政倫審への出席を望まない場合は拒否が可能です。

原則非公開で行われる

政倫審は原則非公開で行われます。ただし、本人からの求めがある場合は公開がなされる場合もあります。2024年2月29日に行われた岸田文雄首相らへの政倫審のほか、以降に行われた自民党関係者の政倫審は本人たちの申し出により報道陣に公開されました。

審議の内容は報告書にまとめられます。政倫審の場で”行為規範”等の規定に著しく違反し、道義的責任があると認められた場合、委員の3分の2以上の賛成があった場合、当該の議員に対して一定期間の当院自粛などを勧告できます。

証人喚問や参考人招致とどう違う?

国会では何か問題が起こると、当事者、もしくは関係者が国会に呼ばれ事情を話す場があります。証人喚問や参考人招致があります。

証人喚問の場合、真実ではない内容を話した場合は偽証罪に問われる可能性があります。証人喚問は公開の場合と非公開の場合があります。

参考人招致の場合は出頭ならびに証言は任意であり、証言を拒否したり、真実ではないことを述べたとしても偽証罪には問われませんが、公開が原則のため、発言の内容が追って批判を受ける可能性があります。

政倫審は証人喚問や参考人招致と比べて非公開が原則であり偽証罪にも問われないため、政治家にとっては出席のハードルが低いとされています。さらに疑惑を追求する側としても、必ずしも有効には機能し得ないデメリットもあります。

政治倫理審査会は過去13回開かれている

政倫審はこれまでに13回開かれています。内訳は衆議院で12回、参議院で1回です。ただし、2009年7月17日に当時総理大臣を務めていた鳩山由紀夫の個人献金偽装問題に関する政倫審では本人が欠席しています。実際に政治家が出席した政倫審は12回となります。

最初は1996年の加藤紘一

1985年に設置された政倫審ですが最初に開かれたのは10年以上経った、1996年9月25日です。出席者は自民党の加藤紘一衆議院議員(肩書は当時・以下同)です。汚職事件をめぐって本人の申し出により開かれましたが、全面非公開で行われました。

初のテレビ中継は2002年の田中真紀子

2002年7月24日に行われた田中真紀子衆議院議員に対する政倫審は本人の申し出により開催され、報道陣へも公開されました。テレビ東京は政倫審の様子を生中継しています。公設秘書の給与を横領したと秘書自身から詐欺罪で告発され、政倫審に臨みました。田中はのちに議員辞職をしています。ただし、この件に関しては捜査の結果不起訴処分となっています。

まとめ

政倫審は政治倫理審査会の略称であり、1985年に設置された。田中角栄元首相がロッキード事件をめぐり有罪判決を受けたため、政治倫理を徹底するために設置されました。委員の賛同、もしくは本人の申し出により開かれます。証人喚問や参考人招致に比べて議員の出席のハードルが低いと言われています。

参考文献

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著者について
政経百科編集部
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