社会・環境

【未婚率】上昇の原因や未婚率を下げるメリット・デメリット、海外の現状などを考える

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未婚率とは?結婚すべきか?

晩婚化が進む今日では平均結婚年齢が遅くなるだけでなく、そもそも結婚をしない選択を取る人もいます。現在の未婚率はどのようになっているのでしょうか。今回は未婚率について詳しく解説していきます。

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未婚率とは?計測の定義

50歳の時点で一度も結婚したことがない人の割合。45〜49歳および50〜54歳の未婚率の平均値から算出します。正確な生涯の未婚率とは異なりますが、50歳の時点で未婚の人は将来的に結婚する可能性が低いと考えられることから、生涯独身者の割合を示す指標として用いられています。

日本の未婚率の推移

日本の未婚率は年々増加しています。国立社会保障・人口問題研究所の「人口統計資料集(2023年)」によると次のような結果が見られます。

年次男性女性
1960年1.26%1.88%
1970年1.70%3.33%
1980年2.60%4.45%
1990年5.57%4.33%
2000年12.57%5.82%
2010年20.14%10.61%
2020年28.25%17.81%
日本の未婚率(2023年人口統計資料集)

各国の未婚率の比較

世界各国の未婚率を比較すると、意外とどの国も同じような値になっています。すべての国で女性より男性の方が未婚率が高くなっています。

国(調査年)男性女性
韓国(2000年)35.1%25.1%
日本(2005年)32.0%23.4%
オランダ(2002年)36.3%28.6%
アメリカ(2000年)30.3%24.1%
イギリス(2001年)33.9%26.9%
カナダ(2001年)30.3%24.2%
フランス(1999年)38.5%31.3%
ノルウェー(2001年)31.2%22.9%
スウェーデン(2003年)44.4%35.3%
未婚率の国際比較(厚生労働省)

未婚の理由

未婚化が進んでいる理由はさまざまですが、主に次の5つが挙げられます。

女性の社会進出によって男女間の格差がなくなった

働く女性の数が増えているとともに、賃金の上昇率も大きくなっています。結婚するよりも仕事に時間を費やしたいと考える女性が増加したことが理由の1つと考えられています。

結婚したい相手と出会えない方が多い

国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、25〜34歳の方の多くが「適当な相手とめぐり会わない」と回答しました。結婚相手と交際相手に求める条件は異なることが多く、結婚したいと思えるほどの相手が見つからないと感じている方が多いと考えられます。 

独身生活を楽しむ方が増えた 

特に女性は働き方が変わったことから、ライフスタイルにも変化が生じたと考えられます。独身生活を楽しみたいという気持ちが強くなれば、結婚に対する意欲は高まりにくいと言えます。

経済的な不安を抱えている 

バブル崩壊後は非正規雇用労働者が増加し、正規雇用労働者との間に収入の格差が生じています。結婚すると夫婦の生活費はもちろん子育てにもお金がかかることから、金銭面に対する不安が未婚化に影響を及ぼしています。

子育ての支援制度が不足している

子育て世代への支援制度はあるものの、まだまだ支援が充実してるとは言えません。そのため子育てに対する経済的不安から結婚に前向きになれない方が多いと考えられます。

未婚率は下げるべき?

未婚化は少子高齢化の原因の1つとも言えます。世間では未婚率を下げるべきと考えられているのでしょうか。

未婚率を下げるべきという意見

未婚率は少子高齢化を加速させるだけでなく、個人としてのデメリットもあります。例えば、孤独感や周囲からの目、介護してくれる人がいないことによる老後の不安などが挙げられます。

未婚率を無理に下げる必要はないという意見

一生独身でいることのメリットには金銭的な余裕を持てることや行動や生き方を制限されないこと、周囲との関係性を保ちやすいということが挙げられます。そのため、個人の自由を尊重する現代の生活スタイルが未婚化を肯定しています。

結婚しないという選択もある?

結婚せずにパートナーと暮らす選択を取る人もいます。その選択は具体的にどのようなものなのでしょうか。

事実婚

事実婚とは、戸籍は同一にしないまま、生計をともにする結婚の形式を指し「内縁関係」ともいわれています。事実婚では入籍はしないものの、住民票上では婚姻届を出していない、未届の夫婦として記載するのが一般的です。事実婚と同棲の違いは公的な手続きを行っているかどうかが大きいでしょう。入籍しないメリットとしてはそれぞれの戸籍を変更しなくても良い点です。

シングルファーザー・シングルマザーとして子育てをする

シングルペアレントとは1人または複数の子供がいるものの、子供の養育や支援を手助けする配偶者や同居パートナーがいない人のことです。その対象が女性の場合シングルマザー、男性の場合シングルファザーと称されます。ひとり親になる原因としては、入籍をせずに子どもをもうける他にも、死別や離婚などが挙げられます。

まとめ

未婚化が進んでいることが問題視されている一方で、未婚のメリットも考えられています。

そのため未婚率を下げるべきだとは一概には言えません。結婚するにしてもしないにしても決断するには正しい知識を身につけることが必要です。

参考になるサイト

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政経百科編集部
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