社会・環境

【繋がらない権利】いつから?意味、理由・目的や批判、海外事例などを解説!

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つながらない権利とは?新しい人権を考える

働く人たちにとって重要な権利である「つながらない権利」。

そもそもこのような権利があることを知らなかった人も多いのではないでしょうか。今回はつながらない権利とは何なのか詳しく解説していきます。

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繋がらない権利とは?

つながらない権利とは勤務時間外や休日に、仕事上のメールや電話への対応を拒否する権利のことです。

一般的には、「勤務時間外において仕事とつながらない権利」、言い換えれば、「業務に関連するアクセスから遮断される権利(アクセス遮断権)」と説明されることが多いです。

繋がらない権利はいつから?

「つながらない権利」という考え方が初めて提唱されたのは、2002年のことです。

この時期は、ちょうど電子メールやインターネットが本格的に普及を始めた時期です。その後しばらくの間、「つながらない権利」は、働く人の私生活に仕事が入り込んでくることへの警戒感・忌避感との関係で議論されていました。

2010年代に入ると労働者の過重労働との関係で、2010年代に入ると労働者の過重労働との関係で「つながらない権利」が注目を集めるようになります。

日本と同様、フランスでも第三次産業化が進み、ホワイトカラー化が進む中で、働く人に対する過重な肉体的・精神的負荷が深刻化した結果、2010年代には働く人の負荷の軽減が重要な政策的課題となりました。

その一環として、働く人の負荷を軽減し、あるいは休息による体力の回復を確保するための「つながらない権利」が注目されるようになりました。

繋がらない権利の理由・目的

つながらない権利が提唱されている理由は主に次の2つがあります。

私生活の尊重

働く人の多くは休暇中にも仕事の連絡を取ることがあるでしょう。

そうした人のほとんどはそれに対してストレスを感じています。

つながらない権利はそのような働く人の私生活の時間を大切にし、家族などとの時間を尊重するために提唱されています。

肉体的・精神的健康の確保

産業医学における研究成果として、業務連絡が届く可能性があると認識して睡眠をとる場合と、そのような連絡・対応がないと認識して睡眠をとる場合では、体力の回復に差が生じるという結果が出ています。

労働者の体力の回復という点では、日本の働き方改革関連法の中で、いわゆる「勤務間インターバル」の考え方が取り入れられており、きちんと回復できるような休み方の確保が求められています。

繋がらない権利への批判

つながらない権利は働く人にとってメリットは大きいものの、もちろんデメリットも存在します。つながらない権利はどのような不利益をもたらすのでしょうか。

休日に連絡が取れない

つながらない権利の環境が整備されれば、勤務時間外においては、社員と連絡をとることは難しくなります。

しかし、つながらない権利は誰から見ても緊急性の高い即対応すべきトラブルにも、時間外であれば対応しないことを明言するものではありません。

基本的にあくまで日常的な業務時間外の不要不急の連絡を抑止することが目的となっています。

業務の効率の低下

職種や勤務状況によっては、どうしても業務時間外に社内への連携や連絡が集中してしまう場合もあるでしょう。

そのようなケースにおいては、つながらない権利によって、業務のスピード感が落ちてしまうことは否めません。

つながらない権利を適切に運用していくには、全社において業務連絡や連携を業務時間外に行えるような体制を整える必要があります。

繋がらない権利の法制度の現状

日本ではつながらない権利の法制化はされていません。

しかし厚生労働省の「これからのテレワークでの働き方に関する検討会」で議論はされています。検討会においては「テレワークの場合における労働時間管理の在り方」について、業務を効率的に進められる一方で、長時間労働になる可能性があり、過度な労働にならないよう留意する必要があるとされています。

繋がらない権利の各国の事例

つながらない権利は世界ではどのように取り扱われているのでしょうか。EUを中心に拡大してきているこの権利の世界への展開について見ていきましょう。

フランスの法制化

つながらない権利は、2016年にフランスで労働基準法の中に組み込まれたのが始まりです。その後、2017年に法制化されました。具体的な内容としては、従業員が50名を超える場合には、つながらない権利について労使で協議がおこなわれ、労働協約を締結することが義務付けられています。

ベルギーで公務員に導入

ベルギーでは、2022年2月1日より、公務員に対して、例外的かつ不測の事態の場合を除き、勤務時間外に電話に応答しないことが許されるようになりました。また、例外で不測の事態である場合の具体例は明記されていませんが、労働者は労使との関係でつながらない権利の合意を取ることができます。

まとめ

つながらない権利は世界中の働く人にとって重要な権利です。しかしこの権利を尊重することは容易ではありません。今後の議論の動向に注目です。

参考になるサイト

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政経百科編集部
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