【最低賃金】誰がどのように決めてる?導入経緯や引き上げのメリット・デメリットなどを解説!

hensyubu
記事内にアフィリエイトを含む場合があります

最低賃金とは?種類や制度、適用されないケースは?

働いた時に受け取る最低額が法律で決められていることを知っていますか?

なんのために最低賃金が決められてて、どのような制度になっているのでしょうか?

この記事では、最低賃金についてわかりやすく解説していきます。

あわせて読みたい
【市場の失敗】独占・寡占や外部不経済などの問題例をわかりやすく解説
【市場の失敗】独占・寡占や外部不経済などの問題例をわかりやすく解説
スポンサーリンク

最低賃金とは?

最低賃金とは、法的に保障された働いて受けとる賃金の最低額のことです。

時給で換算され、パートやアルバイト、外国人労働者等を含む労働者に適用されます。

最低賃金の制度は、労働条件の改善・労働者の生活の安定・国民経済の健全な発展などを目的としています。

最低賃金導入の経緯

日本で最低賃金が導入されたのは、太平洋戦争後の1947年でした。しかし、戦後の混乱の中で十分に機能しなかったとする批判もありました。

その後、本格的に最低賃金法の成立によって、最低賃金制度が整備されたのは、1959年でした。(当時岸信介内閣)

その背景には、輸出が急増して貿易が盛んになり、低賃金・長時間労働への批判が日本に向けられた事や企業の独占・寡占によって若年者の初任給上昇を阻止しようとする動きがあった事などがあります。

最低賃金の制度・種類

最低賃金には、「地域別最低賃金」と「特定最低賃金」の2種類があります。

地域別最低賃金は、都道府県ごとに決められており、基本的にはその都道府県内で働く全ての労働者に対して適応されます。また、地域別最低賃金は、1年に1回改定が行われます。

特定最低賃金は、産業別最低賃金とも呼ばれ、地域別最低賃金よりも高い最低賃金を定めることが必要とされた業種での最低賃金を指します。

なお、特定最低賃金(産業別最低賃金)をどの産業に適用するかは、各地域によって異なります。

基本的には地域別最低賃金よりも特定最低賃金の方が高く設定されていますが、都心部など特定最低賃金が地域別最低賃金を下回る場合もあり、どちらかの高い方を採用するとされています。

【最低賃金】誰がどのように決めている?

では、最低賃金は誰がどのように決めているのでしょうか。

最低賃金は、労働者(働く側)、使用者(雇う側)のそれぞれの代表の各同数の委員で構成される最低賃金審議会において議論の上、都道府県の労働局長が決定しています。

労働者の生活と使用者(会社や法人)の支払い能力のバランスを見ながら、全国的な整合性を図りつつ決められています。

最低賃金に違反したらどうなる?

では、使用者(雇う側)が最低賃金に違反した場合はどうなるのでしょうか?

まずは、使用者側に対して、最低賃金と実際に支払っていた賃金の差分の支払いが課せられます。また、場合によっては罰金が課せられる場合もあります。

なお、最低賃金以上の賃金を支払わない事は、現在の情報社会においては、労働者に対して責任を負うのみならず、社会的な信用が損なわれる可能性もあります。

最低賃金が適用されないケース

しかし、最低賃金が適用されないケースもあります。

厚生労働省が定めたケースにおいて、そのケースに当てはまると各都道府県の労働局長に認められた場合は、最低賃金制度の除外対象となります。

では、どのようなケースが最低賃金の除外対象とされているのでしょうか?

  • 精神又は身体の障がいを持ち、労働能力が低い場合
  • 採用から一定期間が経っていない、試用期間中の場合
  • 軽易な業務に従事する場合

これらは、最低賃金という制限を設けると逆に就労の機会が損なわれるとされ、除外対象となっています。

また、業務委託契約の場合や使用者側とされる事業主・管理監督者などの場合も、労働者という枠組みから外れるため、最低賃金の制度が適用されません。

最低賃金引き上げのメリット・デメリット

最後に、最低賃金を大幅に引き上げる事に対して、メリット・デメリットをそれぞれ解説します。

以前より最低賃金の引き上げの議論が進められており、大幅な引き上げを主張する政治家・専門家がいる一方で、懸念点も挙げられています。

最低賃金引き上げのメリット

  • 労働者の生活が楽になる
  • 従業員のモチベーションが上がり、生産性が高まる可能性がある
  • 働いてるけど生活が豊かにならないワーキングプアの問題が減少する

最低賃金引き上げのデメリット

  • 企業の収益を保つことが難しくなる
  • 企業が新しい人材の雇用に対して、消極的になる
  • 最低賃金を支払えないことによる解雇や失業が増加する

まとめ

最低賃金は、労働者の生活水準を支えているだけでなく、経済全体のバランスに大きく影響を与えています。

最低賃金がどのような制度であるか知ることで、経済全体を紐解く鍵になるのかもしれません。

あわせて読みたい
【市場の失敗】独占・寡占や外部不経済などの問題例をわかりやすく解説
【市場の失敗】独占・寡占や外部不経済などの問題例をわかりやすく解説
あわせて読みたい
【失業率】定義・意味や日本・海外での現在の推移、上昇や下降の原因などを解説!
【失業率】定義・意味や日本・海外での現在の推移、上昇や下降の原因などを解説!
あわせて読みたい
【GDP】何の略?日本や世界の現状や意味、GNPやGNIとの違い
【GDP】何の略?日本や世界の現状や意味、GNPやGNIとの違い

参考になるサイト

X(旧Twitter)で記事内容に対する
意見を広げてください!
スポンサーリンク
著者について
政経百科編集部
政経百科編集部
監修者
選挙・ニュース・授業がもっと楽しくなるをモットーに政経・社会課題を分かりやすく解説します。みんなの「参考書」を目指して情報発信中!様々な政治経済や社会に関する情報を提供し、読者の皆さんに理解や共感をお届けしています。
スポンサーリンク
関連記事
こちらの記事もどうぞ
記事URLをコピーしました