【橋下徹】維新の会創設者・大阪府知事・市長の生い立ちは?弁護士、大阪都構想についても解説
タレント弁護士から大阪府知事・市長へ、大阪都構想を掲げ国政政党の代表を歴任
現在も多くのメディアでコメンテーターとして活動している橋下徹元大阪府知事・大阪市長。
頻繁にマスコミに露出していることから知名度は高いですが、彼が府知事だったのが10年以上前だったということもあり、今の若い人は彼についてあまり知らないのではないでしょうか。
この記事では、そんな橋下徹氏の経歴や政策、引退後のその後などについて解説していきます。
橋下徹を中心に立ち上げた大阪府の地域政党・大阪維新の会を母体にした国政政党の日本維新の会については、こちらの記事もご覧ください。
プロフィール
- 1969年6月29日生まれ
- 現職:弁護士、タレント
- 職歴:弁護士、タレント→大阪府知事→大阪市長→弁護士、コメンテーター
- 学歴:大阪府立北野高校→早稲田大学政治経済学部
- 過去に経験した役職:第52代大阪府知事、第19代大阪市長、大阪維新の会代表、日本維新の会代表、維新の党共同代表などを歴任
誕生から大学卒業までの生い立ち
橋本氏は1969年6月29日、東京の渋谷区で生まれました。父が急逝したことをきっかけに、橋下氏とその家族は大阪府の吹田市に引っ越し、その1年後に東淀川区に引っ越します。
中学校は大阪市立中島中学校、高校は大阪府立北野高校に進学しますが成績は芳しくなく、現役時代に早稲田大学を2学部受験するも不合格になってしまいます。その後一念発起して1年間の浪人生活を過ごし、早稲田大学政治経済学部経済学科に入学することになります。
大学時代、学生ビジネスで不渡り手形をつかまされ、訴訟沙汰になったことをきっかけに法律家を目指すようになりました。そして1994年、橋下氏は司法試験に合格。司法修習を経て1997年に弁護士登録を行い、弁護士となったのです。
行列、たかじんのそこまで言って委員会などに出演!タレントとしても活躍した弁護士時代
弁護士となった橋下氏は、大阪の北区、西天満の「樺島法律事務所」に入ります。その後、1998年に同じ西天満に「橋下綜合法律事務所」を設置し、樺島法律事務所から独立します。橋下氏は示談交渉などによる問題解決を神庭晩に掲げ、企業コンプライアンスやM&A、スポーツビジネスなど幅広く業務をこなしていました。
また、橋下氏は弁護士として業務をこなすかたわら、朝日放送「ワイドABCDE〜す」や読売テレビ「たかじんのそこまで言って委員会」、日本テレビ「行列のできる法律相談所」などに出演するようになります。
彼は法曹界のみならず、事件や事故、時事問題などに至るまで幅広く批評していました。
大阪府知事としての活躍
2007年12月12日、橋下氏は大阪府知事選挙に出馬することを表明。そして2008年1月27日に行われた大阪府知事選挙で、183万2857票を獲得し、見事当選を果たしたのです。同年2月6日に正式に大阪府知事に就任した橋下氏は、2009年10月に総務省顧問に就任するなど、着実にキャリアを重ねていきます。
2010年4月、橋下氏は地域政党「大阪維新の会」を結党し代表に就任。2012年には国政政党「日本維新の会」を結党し代表に就任します。
府知事となった橋下氏が最初に取り組んだのは、財政改革でした。就任の記者会見で財政非常事態宣言を出し、2008年度当初予算では前年度比で1000億円削減することを明言。知事の退職金を半減させました。
同年6月5日には「財政再建プログラム案」を提示。事務事業・出資法人・公の施設について多岐にわたる見直しを行ないました。
また、「安全な地域づくり」を選挙戦の公約にしていた橋本氏は、警察・知事部局・教育委員会などが連携して行なう総合的な治安対策の司令塔として、府庁内に「青少年・地域安全室」を新設。大阪府の犯罪認知件数は、橋下氏の知事就任前である2007年から就任後の2010年にかけて24%減少。日本全体の犯罪認知件数の減少率を上回ったのです。
さらに、2009年に行われた夢洲・咲州地区まちづくり推進協議会において、大阪市内ベイエリア再開発の一環として、「カジノが1つのキーワード。結論は出なくても、始めからできないというのではなく、是非検討して欲しい」と提言。京都と奈良を「世界に誇れる観光の街」、神戸を「日本を代表するファッションの街」と表現したうえで、大阪について「こんな猥雑な街、いやらしい街はない。ここにカジノを持ってきてどんどんバクチ打ちを集めたらいい。風俗街やホテル街、全部引き受ける」というコメントを残しました。
橋下氏は「情報句会の徹底」を選挙公約に掲げていたこともあり、「情報公開室」を設置しました。基本的にあらゆる情報を公開しており、オープンな府庁を目指しました。
他にも、大阪府知事で唯一台湾を訪問するなど、近隣諸国との友好関係の構築にも力を注ぎました。
大阪市長に鞍替え、大阪都構想を立案・推進し住民投票へ
2011年11月、大阪の成長を加速させ、住民に対する身近な行政の充実を図るため、自らが掲げる「大阪都構想」を実現させるべく大阪府知事を辞職。任期満了に伴う大阪市長選挙に出馬します。結果は橋下氏の圧勝。史上初めて、知事経験者が政令指定都市の市長になった選挙でした。
橋下氏は市長時代、大阪市を廃止し、5つの特別区を設置する「大阪都構想」の骨格を定めました。区議の報酬を3割減らし、区の名称や役所の位置も決まっていましたが、住民投票により否決されました。
ほかにも、難病13疾患を持つ人に対する医療費助成制度や、保育士の給与の引き上げ、校務支援システムの導入や給食の改善など、福祉・教育にも力を注ぎました。
さらに、議員の政務活動費などの使途や領収書を市議会のホームページで公開するなど、政務活動費の透明化を目指しました。
そして2015年、その「大阪都構想」の賛否を問う住民投票が大阪市で行われましたが、結果は否決。2015年には維新の党を離党し、同年12月18日には大阪市長の人気も満了しました。
これにより、橋下氏は政界を引退することとなります。
政治家引退後のメディア出演、コメンテーター復帰
政界を引退した橋下氏は、2017年末で日本維新の会の法律政策顧問を退任。後に大阪維新の会の法律顧問に就任します。政界引退後は芸能事務所「タイタン」に復帰し、現在はタレント弁護士として活躍しています。
最近は、フジテレビ系「日曜報道THE PRIME」において、ロシアを訪問したことにより日本維新の会を離党した鈴木宗男参院議員に対し、「どういう経緯があったとしても、ウクライナの民間人を犠牲にする行為は、ここは厳しく批判をして止めないといけない」と、厳しく鈴木氏に対し釘を刺しました。
またイスラエルとハマスの紛争について、「イスラエルの行為を簡単に容認してしまえば、ロシアの行為も容認することにつながりかねないし、中国の台湾に対するいろいろな行為も容認しかねない。ここは、中東の現実だからということで甘く(イスラエルの行為を)容認してはいけない」と持論を展開しています。
まとめ
政治家としての第一線を退いてなお、メディアやSNSでの発言が取り上げられ、大きな影響力があります。
近年では自民党のいわゆる「裏金問題」や、お笑い芸人の松本人志氏に関する騒動など、幅広いジャンルにおいて批評を行っています。
参考になるサイト
- 弁護士法人 橋下綜合法律事務所,n.d,「弁護士 橋下徹」,https://hashimoto-law-office.jp/lawyer/#a01
- 産経新聞|【橋下徹研究・再録 第1部】口達者のハシゲ(2)母子家庭の過去 ぽっかり空いた“父”の存在|https://web.archive.org/web/20150921195254/http://www.sankei.com/west/news/150919/wst1509190004-n1.html
- 高寄昇三,2010,「大阪都構想と橋下政治の検証: 府県集権主義への批判」, 公人の友社
- 東大阪市|「平成20年1月27日執行大阪府知事選挙」|https://www.city.higashiosaka.lg.jp/0000002811.htm
- 朝日新聞|橋下知事・河村市長ら総務省顧問に 「地域主権」担当|https://www.asahi.com/seikenkotai2009/TKY200910300122.html
- 大阪市,2020,『「特別区制度(いわゆる大阪都構想)」ってなに?』,https://www.city.osaka.lg.jp/fukushutosuishin/page/0000492418.html#1
- 産経新聞|橋下氏「都構想反対派が市政を進めたらいい」 維新での擁立にこだわらず 次期大阪市長選で|https://web.archive.org/web/20150529053023/http://www.sankei.com/west/news/150529/wst1505290033-n1.html
- 産経新聞|『橋下徹氏は「大阪維新」の法律顧問に 松井代表の現体制を維持』|https://www.sankei.com/article/20171026-A34PHBBOEROWVLMV345BQT4L7I/
- 大阪府|府政3年間の取り組み|https://web.archive.org/web/20111021205236/http://www.pref.osaka.jp/attach/12234/00000000/3years.pdf
- 警察庁|平成22年の犯罪 刑法犯 総括|https://www.npa.go.jp/archive/toukei/keiki/h22/pdf/H22_02.pdf