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【政党の立場】国会における与党と野党って何が違うの?

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与党と野党の違いって何?

ニュース等でよく話題になる与党と野党。でも実際与党と野党ってなにかわからないという方も多いはず。そこで今回は与党と野党の違いと役割を解説していきます。与党(野党)とはなにか?それぞれ何をしているのか、をなるべくわかりやすく解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。

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与党と野党とは

与党と野党は、政党の区別の仕方で、政権を担当しているのか・していないのかで区別をしています。政権というと難しく聞こえますが、総理大臣がいる政党とその政党に協力をしている政党のグループを与党、それ以外の政党を野党と思っていただけたらと思います。

与党とは

先ほど与党は政権を担当している政党と説明しましたが、具体的にはどのようなことをしているのでしょうか?与党の主な役割と特徴には、以下のものが挙げられると思います。

  • 内閣総理大臣がいる
  • 政権を担当し、内閣をつくる
  • 新たな法案の成立などの政策実現を目指す

つまり、選挙に勝って、実際の政策を進めていく立場に立っている政党のグループのことを与党と言います。

与党が1つの政党のときもあれば、複数の政党のときもあります。現在の日本では、自由民主党と公明党の2党が与党となっています。

ここからは与党の具体的な役割と実情について見ていきます。

総理大臣を出す

与党と野党の違いの中で一番わかりやすい違いは内閣総理大臣がいるかどうかです。法律では、内閣総理大臣は国会内で投票をおこない指名するとされています。つまり、国会の中で人数の多いグループ(選挙に勝ったグループ)が内閣総理大臣を決めることができます。

内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で指名される。  指名は単記記名投票で行われ、投票の過半数を得た者が指名された者となる。なお、1回の投票で過半数を得た者がいないときは、上位2人の決選投票を行い、多数を得た者が指名された者となる。

引用元:https://www.kantei.go.jp/jp/seido/seido21.html

内閣総理大臣は、実際に国の仕事を行う内閣のトップであり、それぞれ具体的な仕事を行う省庁のトップである国務大臣を決めることができます。

慣例としては、与党第1党(与党の中で一番人数の多い政党)の代表が内閣総理大臣に指名されることが多くなっています。現在の内閣総理大臣である岸田文雄総理も、与党第1党である自由民主党総裁の岸田文雄衆議院議員を、与党である自由民主党と公明党が国会内の内閣総理大臣指名選挙で指名し、誕生しました。

政権を担当する

政権を担当するということは、内閣総理大臣を出して、具体的な仕事をする省庁という機関のトップである国務大臣を自分たちのグループから選び、やりたいことの実現を目指すということです。

実際に、2023年9月に発足した第2次岸田第2改造内閣(2023年12月現在)では、内閣総理大臣を除き18人の国務大臣・閣僚が任命されていますが、16名が与党の衆議院議員・3名が与党の参議院議員から選ばれています。政党別にみると、自民党から18名・公明党から1名が内閣に入っています。

法案成立などの政策実現を目指す

過半数を取り、総理大臣を指名できるグループということは、国会においても多数派であり、法案の成立・修正等でも大きな役割を果たします。時代や民意を反映させて、政策を実現する役割を担います。

連立政権とは

では、どの政党も過半数に満たなかった場合はどうなるのでしょうか?その場合は、複数の政党で政権を担当します。これを連立政権と呼びます。

また、1番議席の多い政党が過半数を超えていたとしても、複数の政党で連立政権をつくる場合も多くあります。選挙で協力し合うため、憲法改正等といった3分の2以上の賛成が必要な重要政策を進めるためなどといった背景があります。

現在、自由民主党は衆議院で過半数の議席を持っているものの、自由民主党と公明党が連立政権をつくっています。背景には、参議院で多数を確保するため、憲法改正を進めるため、選挙で協力し合うため等の事情があります。

野党とは

野党とは、与党とは違い、政権を担当しない政党のことを指します。議会で多数を占める与党のグループに対して、野党は議会で少数派です。実際に2021年衆議院議員選挙の選挙結果を見てみると、野党第1党(野党の中で1番議席数の多い政党)の立憲民主党は96議席(定数465議席)、第2党の日本維新の会が41議席となっています。

よく与党対野党といった構図が取られますが、基本的には政権を担う政党(現在は自由民主党・公明党)以外の全ての政党を指し、野党内でも幅広い意見に別れていることが多くあります。

野党の役割

議会内で少数派である野党にはどのような役割があるのでしょうか。野党の役割の一つに与党の政権運営を監視することが挙げられます。野党は、与党に投票をしなかった人の民意を背負っているともいえ、その人たちの意見を政府や与党に伝えます。政府・与党によって提案された法案に意見を投げかけ、議論を進めます。もちろん、全ての法案に反対するのではなく、野党も賛成して法案を可決することも多くあります。

実際に国会では、長らく慣例として野党の方が与党国会議員よりも質問時間が長く当てられています。それだけ野党への役割を重視しているとも言えます。なお、この質問時間に関しては、度々見直しが指摘されています。

内閣不信任案の提出

内閣不信任案の提出は主に野党が行います。内閣不信任案とは、今の内閣に対して信じられないから退任しなさいと意思を示すことです。提出には50人以上の賛同が必要で、衆議院本会議の出席議員の過半数で可決されます。過去には、与党議員の欠席や、一部与党議員の賛成により、可決したこともあります。

ねじれ国会とは?

衆議院と参議院は異なるタイミングで違った方法で選挙を行うため、衆議院と参議院で与党が違う政党・グループになる場合があります。その状態のことをねじれ国会と呼びます。衆議院と参議院で異なる決定が行われた際には、衆議院の優越が認められるなどの仕組みがあります。

まとめ

今回は与党と野党について取り上げました。与党と野党、それぞれの役割があって、国会が動いていることが理解できたら、選挙や政治の全体像が見えてくるのではないでしょうか。

参考になるサイト

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政経百科編集部
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