【幸福実現党】宗教法人や大川隆法総裁との関係、設立経緯、政策などを解説!
幸福実現党とは?釈由美子党首率いる幸福の科学を母体とする党を知ろう
街中の選挙ポスターやSNS上で、「幸福実現党」の名前を見聞きしたことがある人は多いと思います。しかし、幸福実現党はどのような党なのか、現在は何をしているのか、あまり知らない人が多いのではないでしょうか。
今回の記事では、意外に知られていない、幸福実現党について解説していきます。
【幸福実現党】概要
- 総裁:空席(2023年まで幸福の科学教祖、大川隆法氏が在任)
- 党首:釈量子
- 幹事長兼選対委員長:江夏正敏
- 総務会長兼研修局長:松島弘典
- 政務調査会長:里村英一
- 設立:2009年
- 党員数:223,940人
- 支持母体:幸福の科学
設立の背景
幸福実現党の歴史は、1986年に大川隆法氏によって新興宗教「幸福の科学」が設立された時から始まります。幸福の科学は1990年代から、与党である自民党を通して政界に影響を及ぼそうとしており、様々な政治家の応援を行ってきました
また、1995年7月10日に東京ドームで開かれた大川氏の誕生会において、大川氏は「宗教と政治は補完しあうべき」と述べたのです。
設立と最初の選挙
2009年5月23日、幸福の科学は本格的な政界進出を求めて「幸福実現党」を結成します。党の指針は大川隆法氏の著作「幸福実現党宣言」。
同年8月30日に行われた第45回衆議院議員総選挙に、自民党・民主党を超える候補者を擁立したものの、全員が落選。大川氏も出馬しましたが、落選してしまいます。候補者の中には発明家ドクター中松氏や漫画家さとうふみや氏など、錚々たる人選でした。
現在に至るまで
翌2010年に行われた第22回参議院議員通常選挙の比例区における得票率は約23万票で、全体の0.39%でした。それ以降もたびたび選挙に候補者を擁立していますが、いまだに国政進出は叶っていません。
しかし地方議会においてはわずかながら議席を有しており、その合計は50議席です。最初に議席を得られたのは2014年に行われた富山県小矢部市議会選挙において、中野留美子氏が当選したのが最初でした。
政策・考え方
独自要素
幸福実現党は、日本は唯一神大川隆法が現れた国であり、その教えに従って日本を世界一のリーダーにするというきわめて独特な考え方をしています。つまり、幸福実現党は大川隆法(もう亡くなりましたが)を地球最高神エル・カンターレとする宗教国家の建設を目指しているのです。
また、「自由・民主・信仰」を政治の基本原則とし、勇気をもって何が善で何が悪であるかを判断することとしています。
憲法・国家のあり方
憲法改正については賛成の立場を示しており、結党直後に発表した「新・日本国憲法試案」をベースとする憲法改正を目指しています。幸福実現党は国政選挙に立候補者を擁立する政党の中では唯一、議院内閣制の廃止と大統領制の導入を掲げています。
皇室に関してはあまり言及はないものの、憲法試案において「その他の文化的伝統は尊重する」と述べられています。
外交・安全保障
幸福実現党は、外交に関しては強硬な姿勢を見せています。中国共産党を厳しく非難しており、東トルキスタン(新疆ウイグル自治区)におけるジェノサイド(民族浄化)を批判したり、党首である釈氏が世界ウイグル会議議長ラビア・カーディル氏にインタビューを行ったりしています。
ロシアによるウクライナ侵略に対しては、「ゼレンスキーの失策」と非難したうえで、ウクライナに対してゼレンスキー大統領の退陣と停戦を求めました。
新型コロナ
幸福実現党は新型コロナを「中国の生物兵器」とし、中国の責任追及こそ最大の感染症対策であるとしています。ワクチン接種証明には反対で、党の機関紙では信仰に由来する心の持ち方が大事だと説いています。
他にも幸福実現党は、性的少数者に対する政策に関しても反対の立場をとっています。
まとめ
宗教団体の幸福の科学を母体とする政党である幸福実現党は、現在も多くの地方選挙・国政選挙に候補者を擁立し続けています。
大川隆法総裁が亡くなったあと、今後どのような活動を行っていくのか目が離せません。
参考になるサイト・資料
- 幸福実現党公式HP|https://hr-party.jp/
- 幸福の科学公式サイト|https://happy-science.jp/
- 藤倉善郎|2ちゃん化する世界ー匿名掲示板匿名掲示板文化と社会運動(新曜社)
- 島田裕巳|新宗教と政治と金(宝島社)
- 幸福実現党|日本はウクライナの中立化に向けた外交努力を(党声明)|https://info.hr-party.jp/press-release/2022/12477/
- 幸福実現党|中国発 新型コロナウイルスから身を守ろう!|https://info.hr-party.jp/files/2022/09/06173044/bzv1tkmy.pdf