国内政治

【衆議院の解散】意味・理由・目的や条件・手続きなどを分かりやすく解説

hensyubu

衆議院の解散とは?なぜ行う?参議院に解散がない理由も!

ニュースなどを見ていると、政治の重要な局面で「衆議院の解散」という言葉を耳にすると思います。一体、衆議院の解散は何のために行われるのでしょうか?

本記事では、衆議院の解散とは、衆議院解散の目的や流れ、印象に残る衆議院解散などについて解説します。

スポンサーリンク

衆議院の解散とは?

衆議院の解散は憲法で規定されています。解散は日本国憲法7条か69条の規定に沿って行われます。7条と69条の違いは下記の通りです。

  • 7条:内閣の助言と承認により、天皇の国事行為として行う
  • 69条:議院で内閣不信任決議案が可決された場合に、10日以内に衆議院を解散するか、内閣総辞職をしなければならない

衆院議員の任期は4年です。しかし、衆議院の解散が行われると全ての議員が任期満了前となり、資格を失います。

衆議院解散がある理由・衆議院を解散する目的は?

衆議院の解散がある理由は「立法府と行政府の均衡を保つ」ためです。そのため、憲法によって衆議院の解散が規定されており、国政上重要な機能とされています。

そして、衆議院の解散が行われる理由は「内閣が国政上の重大な局面において国民にその判定を求める」ためです。つまり、衆議院の解散が行われると、内閣の方針等が国民の求めるものとなっているのか、主権者が判断する権利を得るのです。

衆議院解散までの手続き

衆議院の解散までの手続きは下記の通りです。

  • 政府は閣議を開き、総理大臣とすべての閣僚が解散決定の閣議書に署名し、衆議院を解散することを閣議決定
  • 天皇陛下の御名・御璽(署名と押印)を得た解散詔書が作成され、衆議院本会議が開かれます
  • ここでは、紫のふくさに包まれた解散詔書が、官房長官から事務総長を通して衆議院議長に伝達
  • そして議長が「憲法7条により衆議院を解散する」と解散詔書を読み上げると、衆議院が解散
  • 同時に衆議院議員は、全員失職

引用:NHK|衆議院解散とはなぜ万歳? 紫のふくさ?|https://www.nhk.or.jp/politics/articles/lastweek/69358.html

参議院に解散がないのはなぜ?

参議院に解散が無い理由は衆議院のように解散に関する規定が無いためです。そのため、任期途中に解散することはありません。また、衆議院の任期は4年であるのに対し、衆議院の任期は6年と長いものとなっています。

規定が無いのにあわせて、参議院に解散が無い理由は参議院の役割にあると考えられます。参議院の役割は「長期的、専門的な視点から法案や政策を議論すること」と「衆議院で可決された法案に問題が無いかをチェックすること」です。

参議院は解散の規定が無いことと役割から衆議院とは違うシステムをとっているのです。

衆議院の解散には名前がついてる?

衆議院の解散には名前がつくことがあります。その場合、解散の目的や印象に残る言葉を含めて〇〇解散と呼ばれることがあるのです。本記事では、バカヤロー解散、郵政解散、アベノミクス解散をご紹介します。

バカヤロー解散

バカヤロー解散は1975年3月、吉田茂首相によって行われました。吉田茂首相は衆議院予算委員会で日本社会党の西村栄一の追求を受けました。その際に吉田茂首相が「ばかやろう」と発言したのです。

その発言に野党は懲罰動議を行い、内閣不信任案を提出しました。その結果、与党の中からも内閣不信任案に賛成する動きがあり、衆議院は解散されることとなったのです。

郵政解散

郵政解散は小泉純一郎首相によって行われました。小泉首相は郵政民営化関連法案の成立を目指していました。そのため、郵政民営化関連法案が否決されれば衆議院解散を明言していたのです。

そして、2005年8月8日、参議院本会議で郵政民営化関連法案が否決。その結果、小泉首相は衆議院を解散しました。

解散後、選挙が行われ結果は与党の勝利となりました。その後、特別国会が開かれ郵政民営化法が成立したのです。以上の流れから、小泉首相による衆議院解散は郵政解散と呼ばれることになりました。

アベノミクス解散

アベノミクス解散は安倍晋三首相が行った衆議院解散のことです。安倍総理大臣は経済政策である「アベノミクス」の継続を掲げ、野党は「アベノミクス」の転換や軌道修正を訴える選挙となりました。

衆議院解散の後の選挙は与党の圧勝に終わりました。アベノミクスを軸とした衆議院選挙であったため、アベノミクス解散と名付けられたのです。

まとめ

今回は「衆議院の解散」について解説しました。衆議院の解散は日本国憲法7条または69条の規定に沿って行われます。衆議院の解散は国民が内閣の方針などを判断できる重要な機会となっています。

衆議院の解散には目的があるため、投票の際にはその目的に賛同できるかが投票の決め手となるでしょう。

参考になるサイト

スポンサーリンク
著者について
政経百科編集部
政経百科編集部
監修者
政経百科は日本最大級の政治経済解説サイトです。様々な政治経済や社会に関する情報を提供し、読者の皆さんに理解や共感を届ける情報をお届けしています
記事URLをコピーしました