国内政治

【政教分離】誤解されてる?意味ない?公明党や幸福実現党、海外の事例などを解説!

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政教分離の原則とは?いつから?憲法・法律は?

政教分離はなぜ必要なのでしょうか?公明党と創価学会、幸福実現党と幸福の科学、直近では世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と政治家の関係の問題が話題となり、頻繁にメディアに取り上げられました。政教分離について学ぶことは宗教と社会の関わりについて深く理解することにつながります。

本記事では、政教分離とは、政教分離導入の経緯、海外における政教分離、政教分離のメリット・デメリットなどについてご紹介します。

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政教分離とは?

政教分離とは政治と宗教の結びつきを切ることです。具体例として下記のものがあげられます。

  • 宗教団体が政治に介入することを禁止
  • 国家や宗教団体や個人の進行に干渉することを禁止

政教分離導入の経緯

政教分離の原則はヨーロッパで発展をとげました。政教分離発展の背景には聖職叙任権闘争、宗教戦争、フランス革命といった3つの出来事がありました。それぞれの出来事と政教分離導入の経緯についてご紹介します。

まず、「聖職叙任権闘争、宗教戦争」では政教分離の基礎的な考えが築かれました。かつて、中世ヨーロッパでは国家と宗教の区別が未知のものとなっていました。

しかし、同時期のヨーロッパで神学者達が国家と宗教の分離を主張し始めたのです。その主張を背景に宗教分離に向けた闘争が始まったのです。

その後、フランス革命において政治と宗教は中立化されました。その背景として「人および市民の権利宣言」が1789年に宣言されたことがあります。「人および市民の権利宣言」では個人が宗教の自由を有しており、宗派にかかわりなく平等であることを保証しました。

そして、宗教が社会から追放され国家から切断されたのです。以上の中世ヨーロッパの闘争を経て、宗教分離の原理が確立されたのです。

海外の政治と宗教の関係

政教分離の原理が確立されて以降、海外ではどのように政治と宗教の関係が築かれたのでしょうか?イギリス、ドイツの事例をご紹介します。

イギリスにおける政教分離

イギリスにおいて明確な政教分離は行われていません。その背景としてイングランド協会の存在があります。イングランド協会の存在はイギリスの国家運営に一定の影響を及ぼしています。そのため、宗教活動において国家的な評価を前提とする法制度が確立されているのです。つまり、イギリスにおいては政治と宗教の中立性が確保されていません。

ドイツにおける政教分離

ドイツでは日本と同様に「信仰・良心の自由」が憲法上保証されており、宗教団体の活動も保証されています。しかし、政教分離への考え方が日本と異なっているのです。

ドイツでは国教会が存在しておらず、政治と宗教がある程度の距離感をとっています。しかし、政治と宗教の協力を憲法で保証しているのがドイツにおける「政教分離」の特徴です。その背景として、ドイツでは社会福祉などの分野において教会が活動することで、ニーズを満たしていることがあげられます。

そのため、ドイツでは政治と宗教を分離しつつも、一定の距離感で協力関係を築いているのです。

政教分離の訴訟事例

北海道の砂川市で発生した「財産管理を怠る事実の違法確認請求事件」の訴訟事例についてご紹介します。この事例では砂川市が市有地を空知太神社に無償提供したことが、憲法の政教分離の原則に反するかが争われました。

判決は最高裁第1小法廷で行われ、住民側の上告を棄却、住民側の敗訴という判決になりました。しかし、政教分離の原則において市有地の無償提供は違憲だと認識を示しています。違憲という認識でありながら、土地の有償貸与を解決策として、訴訟は解決されたのです。

政教分離の目的・メリット

政教分離の目的・メリットとして下記のことがあげられます。

  • 国家と宗教の癒着を防ぐ
  • 国民による国家への不信、憎悪を発生させない
  • 宗教団体による国家権力の行使を防ぐ

政治と宗教が密接に繋がることは、一定の宗教に属する人々だけが国家の利益を受けることにつながる可能性があります。そのため、政教分離は重要だとされています。

政教分離への批判的意見

政教分離への批判的意見として「政教分離の基準が分かりにくい」ことが上げられます。政教分離といっても、国と宗教が関わりを一切持たないことは不可能だといえます。

そのため、宗教分離を前提として宗教への弾圧が行われる可能性があるのです。宗教への強い圧力がかからないよう、政教分離の基準を適切に定めることが必要だと一定の批判的意見があります。

政教分離の現状と議論

日本において「政治と宗教が適切に分離されているのか?」について議論が進んでいます。直近では世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と政治家の関係の問題が話題となりました。

これは宗教団体の自由を保証してきた一方で、個人の自由が保証されていないのではないかといった意見があるのです。

その背景として、日本が明治時代以降、政治指導者によって国家新神体制を築いてきたことがあげられます。そのため、放置されてきた政治と宗教の分離について国家を中心とした議論が必要となっているのです。

政教分離と公明党・幸福実現党

日本にも、宗教団体をルーツに持つ政党・政治団体が存在します。

その中でも、連立与党でもある公明党と大型選挙に何度も候補者を擁立している幸福実現党のそれぞれの見解と実情を見ていきます。

公明党・創価学会と政教分離

公明党HPによると、政教分離の原則は国家権力側が特定の宗教に対して擁護することや国民に強制することを制限しているのであって、宗教側が特定の政党を応援することを制限しているのではないという見解を示しています。

従って、公明党と創価学会の関係は政教分離の原則に違反していないという立場をとっています。

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幸福実現党・幸福の科学と政教分離

幸福実現党HPでも、公明党と同じように、政治が宗教を弾圧しないために設けられた規定であり、宗教が政治に参加してはいけないという規定ではないという見解を示しています。

現行法の運用上では、宗教団体が政党活動や政治活動に参加することは違法では無いということになります。

また、政治家や政党関係者にも信教の自由が認められており、一概に政治家・政党と宗教が無関係でなければならないとするのは難しく、適切では無いとする意見も多くあります。

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まとめ

今回は「政教分離」について解説しました。政教分離とは政教分離とは政治と宗教の結びつきを切ることです。この原則は中世ヨーロッパにおいて発展しました。

直近の日本では政治と宗教の関係性が問題となったこともあり、国家を中心とした政教分離に関する議論が求められています。

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参考になるサイト・資料

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政経百科編集部
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選挙・ニュース・授業がもっと楽しくなるをモットーに政経・社会課題を分かりやすく解説します。みんなの「参考書」を目指して情報発信中!様々な政治経済や社会に関する情報を提供し、読者の皆さんに理解や共感をお届けしています。
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