【性的同意】どんな法律?法律年齢の引き下げやチェックリストについても解説

性的同意とは?証拠・取り方など
裁判や事件に関する報道で「性的同意」という言葉がよく聞かれます。「性的同意があったか、あるいはなかったか」が争点となっているケースも少なくありません。そもそも性的同意とは何なのかについて解説します。
性行為には、性的同意が必要?
性的同意とは性行為を行う際に、お互いがその行為を積極的に望んでいるかを確認する行為です。これは性行為はもちろん、手をつなぐ行為や、ハグやキスなどの相手の身体に触れる行為全般を指します。性的同意を得ることによって、本人が望まない性的行為(性暴力)を防ぐことが可能となります。
この性的同意は相手が断れない立場や、同意が取れない状態では成立しません。無理やり性的な行為を求めたり、相手が同意が取れないほどお酒に酔っている状態の場合などは、性的同意を得たとは言えません。性的同意がない性行為は犯罪となるケースがあります。さらに相手が配偶者や交際相手であっても性的同意は必要とされています。
性的同意の定義は?
性的同意があったかどうかは、のちのちトラブルとなった場合、お互いの主張が食い違うケースがよくあります。そのため、性的同意は「はっきりと言葉で確認することが」が重要だとされています。「何となくその場の空気や雰囲気でそうなった」「抵抗をされたが本気で嫌がっている様子はなかった」という場合には性的同意はなかったとなります。
2023年12月9月には性的同意を確認するためのアプリである「キロク」がリリースされました。「相手から暴力を振るわれていないか」などの10個の項目をチェックし、すべてに同意するとQRコードが発行されるものです。性的同意のない性行為を防ぐことは可能性ですが、賛否の声もあります。
チェックリストの活用も有効
性的同意に関しては、それぞれの考え方や価値観が異なる場合もあります。そうした場合にはチェックリストの活用も有効です。北九州市のウェブで公開されているリストには10の項目があります。「二人きりでデートに行くことは、性行為を前提としている」「家に泊まるのは性行為をしてもいいというサインだ」といった文言が並んでいます。これらは、1つでも当てはまる場合は「性的同意は取れていない」となります。
自分の価値観と性的同意の定義に隔たりがある場合もありますので、客観的な定義やチェックリストを確認、活用していく必要があると言えます。
法律ではどう定められている?
性的同意について法律ではどのように定められているのでしょうか。2023(令和5)年7月13日より変わった性犯罪の規定は以下です。
性的同意のない性行為は「不同意性交罪」「不同意わいせつ罪」となります。暴行、薬物、アルコールなどによって相手が同意しない、できない状況で性交やわいせつな行為を行うと処罰される可能性があります。
さらに性交可能な同意年齢がそれまでの13歳以上から16歳以上に引き上げられました。ただし相手が13歳以上16歳未満の場合は、相手が5歳以上年長であった場合に処罰対象となります。社会的な立場の差を利用した年長者による性的行為が一律に処罰対象とされました。
まとめ
性的同意とはお互いに性行為をしたいという積極的な同意があることを指します。性行為ばかりでなく、ハグやキスなどのお互いの身体に触れる行為全般に性的同意は必要であると考えられています。性的同意はその場の雰囲気や流れではなく、はっきりと言葉で確認を取ることが推奨されています。性的同意のないまま性的な行為を行った場合、法律で裁かれる可能性があります。
参考になるサイト
- NHK|「性的同意」とは? どうすればいい? 素朴な疑問を専門家が解説|https://www.nhk.or.jp/minplus/0026/topic110.html
- 福岡県|ちゃんと言葉で、たしかめて「性的同意」|https://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/seitekidoui.html
- 北九州市|「性的同意」と「性暴力」|https://www.city.kitakyushu.lg.jp/shimin/14700153.html
- 関西テレビNEWS|性交渉の『事前同意』促すアプリ誕生 街では賛否「あると安心」「犯罪の抑止にはなるけど浸透するかな?」|https://www.ktv.jp/news/feature/1218%E3%80%80seikoushoukiroku/
- 法務省|性犯罪関係の法改正等 Q&A|https://www.moj.go.jp/keiji1/keiji12_00200.html