学校教育

【体育の死亡事故】誰のせい?事例や起こりやすい競技、対策・予防策などを解説!

hensyubu
記事内にアフィリエイトを含む場合があります

水泳、陸上競技など、体育の死亡事故を考える

学生なら誰しもが行う体育の授業。

座学よりも好きという生徒も多いと思いますが、そんな楽しい授業にも危険は潜んでいます。

今回は体育死亡事故について詳しく解説していきます。

あわせて読みたい
【教員の働き方改革】具体例・事例やできること、給特法などの課題を解説!
【教員の働き方改革】具体例・事例やできること、給特法などの課題を解説!
スポンサーリンク

体育の死亡事故が起こりやすい競技

体育事故の死因は心臓系疾患等の要因が多数を占める突然死、頭部外傷、溺水、熱中症などが上位を占めていますが、それらの死はどの競技で起こり得るのでしょうか。

水泳

夏に授業で行う学校もある水泳の授業では、突然生徒が溺れてしまうことが原因で死亡事故が起こります。

危険性が高いスポーツですが、教師による監督も行き届かないことがあるのが現状です。

陸上競技

主に屋外で行われる陸上競技では、熱中症での死亡事故が多く起こります。

また、心臓疾患等が多数を占める突然死が1番起きているのも陸上競技となっています。

ハードルや高飛び等での転倒や接触による事故も起きています。

バスケットボール・サッカーなどの球技

運動量が激しくなる球技では人との接触や転倒事故が多くなります。

それにより頭部を打撲し、死亡事故につながることがあります。また心臓系の発作により突然死や熱中症の危険性もあります。

柔道

中学・高校の運動部活動における死亡事故・重度の障害事故の件数がいちばん多い柔道が体育で取り扱われる学校も少なくありません。

主には、頭部外傷などが死亡事故・重度の障害事故の原因になっています。

体育の死亡事故事例

体育時の死亡事故は過去に何度も起こっています。実際にどのような状況下で事故が起きているのでしょうか。

水泳指導中の溺死

2024年7月5日、高知市の小学4年生の水泳の授業で、小学校のプールが故障のため使用できず、10センチほど深い近くの中学校のプールで授業を行っていました。その結果男子児童が溺れて死亡しました。

それに対して文部科学省はふだん使用しているプールと異なる環境で授業を実施する場合も含めて、適切な対応を徹底するよう求めています。

熱中症による死亡事故

北海道伊達市で2023年8月22日、小学2年の女児が体育の授業後に熱中症とみられる症状で死亡した事故が発生しました。

このときの気温は運動が原則禁止になる31度以上であったにも関わらず、教員はそのことに気づいていませんでした。

この市では授業日に気温が30度を超えることが滅多にないため、教員も体育が中止になる事例は未経験だったとしています。

体育の死亡事故は誰の責任?起こる原因は?

体育の授業中の事故は、一概に教職員だけの責任ではなく、カリキュラムや児童・生徒当人の過失など、様々な要因があります。

教職員の過失

体育の授業中の怪我について、教職員に監督上の過失がある場合は、不法行為に基づく損害賠償責任を負うことがあります。

しかし国公立学校の教職員は、生徒に対して直接の損害賠償責任を負わないとされているので、教職員の個人責任を追及できるのは私立学校の場合のみです。

学校の責任

体育の授業中の怪我について、教職員に監督上の過失がある場合は、学校側も損害賠償責任を負います。

国公立学校の場合は、学校を設置した国または公共団体(自治体)が国家賠償責任を負います。私立学校の場合は、学校を運営する学校法人などが使用者責任を負う可能性が高いです。

また、学校の設備の設置・管理に関しての不行き届きや過失が原因で生じた怪我についても、学校側が損害賠償責任を負います。

加害児童・生徒の責任

体育の授業中の怪我が、他の児童・生徒の故意または過失によって生じた場合は、加害児童・生徒への損害賠償請求が可能な場合があります。

しかしその生徒に責任能力がない場合やスポーツのルールに則った上で怪我が生じてしまった場合には損害賠償請求はできません。

解決策・未然に防ぐための対応

軽い怪我は防げなくても死亡事故はゼロにしなければなりません。

どのような対策によって死亡事故を防ぐことができるのでしょうか。

熱中症予防

暑さに慣れる期間を設けたり、運動をするときはこまめに水分・塩分補給をしたり、積極的に休息をいれたりすることが大切です。

屋内の活動でも油断はせず、屋外と同様に気をつけなければなりません。

カリキュラム等の工夫

カリキュラムを見直し、事故の起こりやすい種目の実施を取りやめる、監督する教職員の数の見直しなどを行い、現場の教職員だけの責任にせず、事故が起こりづらい環境を整備することも大切です。

怪我・事故の起きた際の対応を周知する

AEDの場所の確認や止血方法など応急処置に関する教育、事故が起こってしまった場合にどこに連絡するべきかなどを教職員や生徒・児童が事前に把握しておくことが重要です。

また、危険を感じたらすぐに運動を中止する選択を取ったり、意識がなければAEDを使えるように準備したり、運動を行わせる場合は絶対に一人にしないようにしたりすることが大切です。

特に一人にしないことによって未然に防げる事故はたくさんあります。積極的に集団で行わせることが必要になります。

まとめ

体育死亡事故はたかが授業なんかで…と思っていても実際に起こり得ます。

そのため、事故のポイントをおさえて、日頃から注意を怠らずに安全にスポーツをすることが大切です。

また、そのような悲しい事故が起こらないようにどのような環境で体育の授業を行うべきかも考えていかなければならないのかもしれません。

あわせて読みたい
【教員の働き方改革】具体例・事例やできること、給特法などの課題を解説!
【教員の働き方改革】具体例・事例やできること、給特法などの課題を解説!
あわせて読みたい
【部活動廃止議論】メリットデメリットと地域移行の現状
【部活動廃止議論】メリットデメリットと地域移行の現状
あわせて読みたい
【救急車有料化】メリット・デメリットは?日本全国の事例や賛成・反対意見などを解説!
【救急車有料化】メリット・デメリットは?日本全国の事例や賛成・反対意見などを解説!

参考になるサイト

X(旧Twitter)で記事内容に対する
意見を広げてください!
スポンサーリンク
著者について
政経百科編集部
政経百科編集部
監修者
選挙・ニュース・授業がもっと楽しくなるをモットーに政経・社会課題を分かりやすく解説します。みんなの「参考書」を目指して情報発信中!様々な政治経済や社会に関する情報を提供し、読者の皆さんに理解や共感をお届けしています。
スポンサーリンク
記事URLをコピーしました