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【識字率】日本の推移や海外の比較など!意味、定義、中国・途上国・ヨーロッパの事例も解説!

hensyubu
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識字率とは?

世界の教育格差の観点として識字率があります。

そもそも、識字率とはどのような定義で出されている数値なのでしょうか?

今回は識字率について、各国の比較や日本での推移など、詳しく解説していきます。

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識字率とは?識字率の定義

識字率の定義を、ユネスコは「日常生活で用いられる簡単で短い文章を、理解して読み書きできること」としています。

しかし、そもそも識字は上記の読み書きに加えて「計算能力」や「生活する上で必要な技術力」も含んだ能力を指すため、国や専門家によって見解は多少異なるケースもあります。

とはいえ、国際的なデータとして識字率を算出する際は、ユニセフの定義と同様に、先述した3つの項目が「日常生活を送るうえで、支障のないレベルであること」が基準になります。

識字率から何がわかる?

一般的に、読み書きを教える場所が学校であることから、識字率からその国・地域の就学率や教育水準も見えてくると言われています。

また、男女間の識字率の差が、その地域の男女格差を示している場合もあります。

現在の日本の識字率と推移

日本政府が、初めて識字に関する調査を行ったのは明治初期であり、6歳以上の住民を対象に調査しました。

しかし当時は、学校教育の整備が追いついていないことや、調査した県と期間が限られていたこと、調査対象が漢字、カタカナ、ひらがなのうち、どれなのかが不明であったことなどを理由に、あまり参考にされなかったようです。

その後、日本で本格的に識字率について調査が行われたのは、終戦後の1948年です。

国内の15〜64歳の男女17,000人を対象に行われました。結果は完全文盲が1.6%、不完全文盲が2.1%でした。「完全文盲」はかなと漢字の読み書きができない人で、「不完全文盲」はかなの読み書きはできるが、漢字の読み書きができない人を指します。

これは識字率がほぼ100%と言える結果だったため、全国的な調査は現在行われていません。

識字率の国際比較

ここではユニセフの「世界子供白書2023」の統計データを参照しながら世界の識字率を地域別に見ていきます。世界の識字率は次のようになっています。

地域名男性(%)女性(%)
東南アジア・太平洋諸国9999
ヨーロッパ・中央アジア100100
東ヨーロッパ・中央アジア100100
ラテンアメリカ・カリブ海諸国9899
中東・北アメリカ9288
南アジア9289
サハラ以南のアフリカ7974
東部・南部アフリカ8080
西部・中部アフリカ7868

海外諸国の識字率

ここではいくつかの国と地域を取り上げて世界の識字率についてさらに詳しく見ていきましょう。

中国

中国における15〜24歳の識字率は100%ですが、それ以外の年齢層も含む場合は少し変わってきます。

2021年の国勢調査によると、中国に暮らす2.67%の人が非識字者であり、その大部分が50歳以上であるという結果になりました。読み書きのできない理由としては、当時中国が現在より貧しかった点や、女性の地位が低かった時代であったことが関係しているとしています。

また農村部では、用事があると口頭で伝えていたため、必要性が低かったことも挙げられています。しかし現在は、オンライン授業の普及もあり、積極的に読み書きを学ぶ人も増えているようです。

ヨーロッパ

識字率の高い国が多いヨーロッパでは、1874年に締結された「国際郵便条約」をきっかけに、文字でコミュニケーションをとることが活発化し、読み書き能力も発展していきました。

これにより19世紀後半には、多くの国で義務教育制度が整っていたと言われています。また現在は、経済や技術が発展し、生活水準も高い「先進国」が多いことも識字率が高いと言われる理由でしょう。

発展途上国

途上国の識字率は、カザフスタンのように100%の国もある一方で、中央アフリカ共和国やニジェール共和国のように半数にも満たない国も存在します。

そのため、「途上国=識字率が低い」と一括りにできないのが現状です。しかし、やはり全体を通して見ると多くの途上国で識字率の低さが目立っています。

まとめ

先進国では識字率は100%に近い国が多いものの、世界全体を見渡すとまだまだ低い国もあります。

識字率の低さは、国際的な経済格差やそれに伴う教育格差など、様々な社会問題を示しています。

私たちは世界の識字率をどう捉え、国際問題を解決するためにどのような行動をとるべきなのでしょうか?

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政経百科編集部
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