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【国際会議】G7,G20,G8の違いは?広島サミット・参加国・開催地など

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国際会議の参加国・種類・内容・開催日程をわかりやすく解説

よくニュースなどで耳にするG7やG20。

しかし、どんな国が加盟しているのか、どんなことを話し合っているのか、国際会議の違いがよく分からないという方も多いと思います。

そこで、今回は国際会議の種類や違いをわかりやすく解説出来たらと思います。

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G7とG20の参加国・加盟国

まずは、大きな枠組みであるG7とG20の加盟国についてみていきましょう。

G7の参加国とG8との違い

G7とは、Group of Sevenの略で、カナダ・フランス・ドイツ・イタリア・日本・イギリス・アメリカの7カ国の枠組みのことです。これらの7カ国は、国際通貨基金(IMF)の先進国であり、最も裕福な自由民主主義国とされており、2018年時点で、世界のGDPの40%前後を占めています。

法的・制度的な基盤を持たないものの、国際的に大きな影響力を持つ枠組みであり、途上国への支援や気候変動への対策など、主要な世界的取り組みを先導しています。

1975年にカナダを除く6カ国の首脳会談が行われ、翌1976年からカナダが参加し7カ国の枠組みとなりました。ロシアが参加し、G8とされていた時期もありましたが、2014年のクリミア侵攻によってG8の枠組みを離脱することとなり、以降現在まで7カ国の枠組みとして存続しています。

G20の参加国

上述のG7の7カ国に加えて、アルゼンチン、豪州、ブラジル、中国、インド、インドネシア、メキシコ、韓国、ロシア、サウジアラビア、南アフリカ、トルコを加えた20の国と地域(EU)の枠組みのことを指します。

NHKでは、先進国会合であるG7と区別するため「先進国に新興国を加えた主要20か国」と表現されています。

G7とは?

ここからは、G7の枠組みにおいて開催される国際会議を紹介していきます。

G7サミット(主要国首脳会議)

G7サミットは、主要国首脳会議ともよばれ、G7の7カ国とEU(欧州連合)の首脳が参加して、毎年開催される国際会議のことです。

関連閣僚会議・準備会合

サミットの他にも、世界的なテーマについての関連閣僚会議やサミットに向けた事務レベルの準備会合を行っています。

2023年には、G7の枠組みで以下のような会議を開催しています。

  • 1月24日:ウクライナのエネルギー分野支援に関するG7+外相会合
  • 2月24日:G7首脳テレビ会議
  • 3月10日:ウクライナのエネルギー分野支援に関するG7+外相会合
  • 4月16日:G7長野県軽井沢外相会合(〜18日)
  • 5月19日:G7広島サミット(〜21日)
  • 6月24日:G7外相電話会合
  • 10月17日:G7外相電話会合
  • 10月28日:G7大阪・堺貿易大臣会合(〜29日)
  • 11月7日:G7外相会合(〜8日)
  • 12月6日:G7首脳テレビ会議

サミットについて

ここからは、G7の枠組みにおいて行われるG7サミット(主要国首脳会議)について解説していきます。

G7サミットの特徴

G7(2014年まではロシアを含めたG8)の政府の長および欧州連合の欧州理事会議長・欧州委員会委員長が年に1回集まり、国際的な政治的・経済的課題を議論します。

G7の議長国

議長国は、サミットの議題を設定したり、スケジュール調整をしたりします。1月〜12月の1年間を任期とし、フランス・米国・英国・ドイツ・日本・イタリア・カナダの順に各国が持ち回りで努めます。

これまで日本は7回G7議長を務めており、1979年(東京サミット)、1986年(東京サミット)、1993年(東京サミット)、2000年(九州・沖縄サミット)、2008年(北海道洞爺湖サミット)、2016年(伊勢志摩サミット)、2023年(広島サミット)にそれぞれサミットを開催しました。

G7サミットの招待国とは?

招待国とは、G7の加盟国以外で会議に参加できる国や地域のことを指します。

2023年のG7広島サミットでは、以下の国が招待国として参加しました。

  • オーストラリア
  • ブラジル
  • コモロ(アフリカ連合(AU)議長国)
  • クック諸島(太平洋諸島フォーラム(PIF)議長国)
  • インド(G20議長国)
  • インドネシア(ASEAN議長国)
  • 韓国
  • ベトナム

G7サミットの歴史

1970年代に、世界はニクソン・ショックや第1次石油危機などの問題に直面しました。

その中で、各国の間では、マクロ経済・通貨・貿易・エネルギーなど、国際的な協力の必要性が高いとの認識が生まれました。

ジスカール・デスタン仏大統領(当時)の提案により、1975年11月、パリ郊外のランブイエ城において、フランス、米国、英国、ドイツ、日本、イタリアの6か国による第1回サミット(ランブイエ・サミット)が開催され、先進国各国の首脳が集まり会合を行う重要性が再認識されます。

以降、各国が持ち回りで議長国を務めつつ、毎年首脳会合を行うことになりました。

その後、ソ連崩壊後のロシアが加盟しG8の枠組みでサミットを開催してきたこともありますが、2014年のロシア離脱を機に、再び現在の7カ国の枠組みとなりました。

G7サミットの意義・目的

G7サミットでは、世界経済・各国の地域情勢・地球規模の課題など、その時々の重要な国際課題について話し合われます。

コロナ対策、ロシアによるウクライナ侵攻、エネルギー問題、食料安全保障など、近年地球規模の国際課題が山積しているとも言われています。その中で、G7サミットを行い主要国が同じ方向を向いて課題に向き合う重要性が高まっているとする見方があります。

2023年G7広島サミット(第49回先進国首脳会議)

ここからは、日本が議長国を務め、2023年に開催された広島サミットについてみていきます。

概要

  • 日程:2023年5月19日から5月21日
  • 開催場所:グランドプリンスホテル広島(広島県広島市)
  • 議長国:日本国
  • 参加国:G7各国、招待国(オーストラリア、ブラジル、コモロ連合、クック諸島、インド、インドネシア、韓国、ベトナム)、ゲスト国(ウクライナ)

重要課題

コロナ禍に見舞われ、また、国際秩序の根幹を揺るがすロシアによるウクライナ侵略に直面し、歴史的な転換点にあるという背景認識のもと、「法の支配に基づく国際秩序の堅持」「グローバル・サウスへの関与の強化」の2つの視点から重要課題が設定されました。

広島サミットの公式HPによると、以下のテーマが、重要課題として挙げられています。

  • 地域情勢
  • 核軍縮・不拡散
  • 経済的強靱性・経済安全保障
  • 気候・エネルギー
  • 食料
  • 保健
  • 開発

広島サミットに対する評価

中国新聞が行ったアンケート調査によると、回答者の9割強が広島サミットを肯定的に評価しており、核軍縮につながるとの見方も7割弱に達しました。

一方で、核兵器廃絶に関しては、「なくせない」という回答が約半数を占めました。

また、各国の首脳が広島平和記念資料館を訪れた際の様子が非公開だったことなど、否定的な評価をされた側面もありました。

G20とは?

G7の枠組みだけでなく、G20の枠組みでもサミットや関連会議などが行われることがあります。

大きな違いとしては、G7は自由・民主主義・人権などの基本的価値観を共有する国の枠組みとされている一方で、新興国や資源国などさまざまな状況の国々が集まっていると言えます。

1997年に始まったアジア通貨危機等により、国際金融システムの議論を行うために1999年より20か国・地域財務大臣・中央銀行総裁会議を開催しています。またリーマン・ショックを契機に発生した経済・金融危機に対処するため、2008年からは20か国・地域首脳会合(G20サミット、正式名称は金融・世界経済に関する首脳会合)も開催されています。

2019年には日本が議長国としてG20大阪サミットを開催し、2023年にはインドが議長国となり、ニューデリーにてG20サミットが開催されています。

まとめ

コロナ禍、ウクライナ侵攻、エネルギー問題など、近年特に国際問題への対策が叫ばれるようになりました。

国際課題への対策の1つとして、G7,G20といった枠組みやそれに基づく会合などが作られています。

まずは、その枠組みを理解した上で、何が議論されているのかに注目していく必要があります。

参考になるサイト

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政経百科編集部
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