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【天皇とは】歴史的背景や現在の役割・立場などをわかりやすく解説!

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天皇ってなにしてる?国事行為などの仕事や皇室問題を考える

皆様は、天皇と聞くとどういった印象を持たれますか?どんな役割を果たしていて、どのような経緯・歴史的背景があるのかよくわからないといった方も多いかもしれません。

しかし、日本の歴史を語る上では必ず登場するものでもあります。今回は、そんな日本の天皇について解説していきます。

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天皇とは?

天皇とは、日本特有の君主の称号のことです。

天皇のはじまりは諸説ありますが、初めて「天皇」を自称し始めたのは7世紀とも言われています。歴史的な変遷を経ながらも、現在までその称号が続いています。

また、現在の日本国憲法の条文の中では、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であると規定されています昭和、平成、令和などの元号も天皇の交代とともに、変更されます。

天皇の歴史

ここからは、天皇の歴史について振り返っていきます。

初代天皇はいつ?誰?

本文:天皇がいつ頃、どのようにして誕生したかについては、現在でも議論が続いています。しかし、天皇の全身に当たる大王は遅くとも5世紀ごろには誕生しており、畿内の政権の王として存在していたことが中国の史書から確認することが出来ます。

大王は次第に勢力圏を拡大し、7〜8世紀初頭にかけて律令体制を整えるような広い範囲にわたる統一王朝へ成長しました。

皇室の歴史は「古事記」「日本書紀」などの歴史書に基づいて編纂されており、その起源は紀元前60年に即位した神武天皇に、さらにはその始祖の天照大御神にあります。

天皇の役割の変遷

では、ここからは時代ごとの天皇の役割を振り返っていきましょう。

古代

ヤマト王権にルーツを持つ皇室は、律令制のもと実態的な権力を有していました。しかし、この政治形態は法律に則ったものであったため、比較的安定していました。政策の実施には天皇の裁可が必要でした。

平安時代の始まりに伴って政治状況が安定すると、政治の中心は人事や儀式に移り始めました。

文徳天皇のころになると、天皇はほとんど内裏から出ることはなくなり、官僚に囲まれ人前に出ない存在となっていきました。

中世〜近世

鎌倉時代には承久の乱などで皇室は権威を失いかけますが、各種の改革により部誌による制約を受けながらも実体を保つことが出来るようになっていました。

二条河原の落書の一節に、当時の皇室の権威に暗に触れているものがあります。

「此頃都ニハヤル物 夜討 強盗 謀綸旨」

綸旨とは天皇の命令を記した文書であり、ニセの綸旨が出回るような事態になるほど、皇室には権威が存在したと読み取ることが出来ます。

江戸時代になると、禁中並公家諸法度が制定されます。政治的な権限は形骸化していましたが、元号の制定や祭祀の運営、将軍や大名、そのほかの役職者を任命する権利を有していました。

幕府は権力と財政、皇室は権威というように、図らずともお互いがお互いを補いあっていたのです。

大日本帝国時代

明治維新後、伊藤博文を中心とする政府は内閣制度を発足させ、大日本帝国憲法を発布しました。これにより日本は西洋のような立憲君主制へと移行。

明治天皇は近代化に成功し、2度の対外戦争に勝利し、帝国主義の嵐が吹き荒れる時期に日本の独立を守り抜いた功績から、「明治大帝」とも呼ばれています。

近代の天皇は統治権や統帥権を有していたものの、好き勝手出来ることはなく、彼らの権力も憲法上に定められていました。

現代日本における天皇の仕事・役割

時代とともに、様々な役割を担ってきた天皇。では、現在はどうなのでしょうか。

天皇の国事行為

日本国憲法のもとにおいては、天皇は国事に関する行為のみを行い、国政に関する権能を有しないと定められています。国事に関する行為の具体例としては、内閣総理大臣の任命、憲法改正、法律、条約、政令の公布、国会の召集、栄典の授与、外国の大使・公使を接受、外交文書の認証、国会開会式への出席や宮中晩さん会などがあげられます。

祭祀の長として

天皇は、日本国憲法で定められる国民統合の象徴としての役割の他に、日本古来の宗教である神道の大祭司としての立場もあります。

天皇の宮中祭祀は国事行為を超えた「天皇の公事」であり、天皇は数千年前から毎日、国民の安寧と平和を祈り続けているのです。

上皇陛下は在位中の平成28年に、「国民を思い、国民のために祈るという務めを、人々への深い信頼と敬愛をもってなし得たことは、幸せなことでした」と述べられています。

皇位継承問題

数千年にもわたり、日本では天皇という位を守ってきましたが、現在は天皇の後継者問題や皇室(天皇の親族)の数の減少などの問題に直面しています。

天皇の位(皇位)を継承できる人が少ないといった問題のことを皇位継承問題といいます。

現在は、男系男子のみが皇位を継承できるとされていますが、女系または女性の天皇を認めることや旧宮家と言われる人の皇族復帰などの解決策が議論されています。

【皇位継承問題】解決策はある?有識者会議とは?現在の状況も解説https://seikeihyakka.com/article/koui-keisyo

まとめ

さまざまな歴史を経つつも、今日まで天皇としての立場は続いてきています。

しかし、皇位継承問題など、その役割・立場やあり方など、もう一度国民全体で考え直さなければならない時代なのかも知れません。

まずは天皇および皇室を理解することが大事です。

参考になるサイト・資料

  • 吉村武彦|古代天皇の誕生|2019,角川文庫
  • 中澤伸弘|宮中祭祀: 連綿と続く天皇の祈り|2010,属転社
  • 藤田覚|天皇の歴史6 江戸時代の天皇|2018,講談社学術文庫
  • 日本経済新聞|イチから分かる天皇の歴史 古代~現代まで|https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44138660U9A420C1000000/
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著者について
政経百科編集部
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