国内政治

【道州制議論】日本でのメリット・デメリットやアメリカなど海外事例を解説!

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道州制とは?あなたは賛成?反対?

道州制は「平成の廃藩置県」とも呼ばれ、国のかたちを大きく変える可能性がある制度として注目されてきました。

海外ではすでに導入実績があり、行政の効率化などの成果をあげています。この記事では「道州制になると何が変わるの?」と疑問に思っている方のために、道州制のメリット・デメリットや議論の経緯、海外での導入実績、連邦制との違いについて解説します。

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道州制とは?

道州制とは地方再編を進めるための施策です。

日本で議論が進められている道州制では現在の都道府県を廃止し、全国を8~10のブロックに分ける構想が取り入れられています。それぞれのブロックには知事にあたるリーダーを置き、ブロック単位で行政が執り行われるのが特徴です。

議論が本格化したのが平成であったことから、道州制は「平成の廃藩置県」とも呼ばれていました。

厳密な定義は国によって若干異なるものの、「現行の行政単位を大幅に再編する」という点は共通しており、中央集権解消の流れで議論が進められています。

これまでの道州制議論

道州制の議論は長い時間をかけて進められてきました。ここからは、日本での道州制の成り立ちや現在までの議論について見ていきましょう。

道州制の起源

日本では、第二次世界大戦以前から道州制導入に向けた議論が繰り返されてきました。道州制が具体的なアイディアとして取り上げられたのは1957年(昭和32年)です。

第4次地方制度調査会の中で出された「地方制度の改革に関する答申」の中で日本における道州制のビジョンが提示されています。当時はあくまでも「国が地方を統治する」という基本思想に変わりはなく、限界を迎えつつあった中央集権国家の代替案として道州制があがった、というのが基本的な流れです。

現在は議論が停滞している

道州制の議論は平成以降、地方分権の機運が高まる中で活発化しました。平成22年、当時の大阪府知事であった橋下徹氏が「大阪都構想」を提唱し、のちに大規模な住民投票が実施されるなど、道州制は一気に国民の関心を集めました。

その後も知名度のある政治家の呼びかけもあり、道州制の認知度はさらに高まります。しかしながら、「大阪都構想」が住民投票で否決され、橋下氏が府知事から退くと道州制の議論は徐々にトーンダウン。令和に入ってからは地方分権の重要性は度々叫ばれるものの、道州制そのものが大きく取り上げられる機会は減りつつあります。

道州制を導入している国

道州制や、それに類する制度はすでにいくつかの国で導入されています。ここでは道州制と類似している連邦制を含め、道州制導入の実例について解説します。

デンマーク

デンマークでは2007年に大規模な政治改革が行われ、連邦制が導入されました。デンマーク式の連邦制では県が廃止され、代わりにレギオンと呼ばれる5つの区域を新設し、行政権限の委譲・削減が行われています。

道州制と連邦制はよく似た言葉ですが、権限の所在の面で違いがあります。連邦制では州と呼ばれる区域が独立し、司法権と立法権を持ちます。一方の道州制では司法権・立法権は委譲されておらず、予算の配分も原則として国が行います。

デンマークでは連邦制の導入にあたって一部の行政サービスを県から市に移し、業務をスリム化したことで行政機能の効率化および透明化を実現しました。

アメリカ合衆国

アメリカは合衆国と呼ばれるように、建国当初から連邦制を導入している国です。ちなみに合衆国は、「たくさんの州が集まってできた国」を表しています。

アメリカ合衆国ではそれぞれの州が司法権と立法権を持っているため州ごとに裁判所があり、法律も州によって異なるのが特徴です。

道州制賛成意見・メリット

道州制には賛否両論があり、現在も議論が繰り返されています。ここでは道州制への賛成意見をまとめました。

行政が効率化する

道州制では県や市が廃止し、大きなブロックに一本化されるため、行政機能の効率化が期待されています。橋下徹氏の「大阪都構想」では府(または県)と市町村で行政サービスが重複する「二重行政」が問題視されました。

道州制を導入することで無駄な行政サービスが削減され、業務効率化につながると考えられています。

地域格差が是正される

道州制は本来、予算のバランスを整えることで地域格差を是正するための制度です。たとえば、ブロックごとに大都市を1つ配置すれば主要都市の財力によって過疎地域にも必要な予算をまんべんなく配分できます。

また、医療サービスも財力に恵まれた都市同士が連携することでリソースが不足している地域も包括的にカバーできるでしょう。

道州制反対意見・デメリット

道州制導入にまつわる反対意見を見ていきましょう。

トップの負担が増える

道州制では行政単位が現行よりも広がるため、行政にかかる負担がどうしても重くなります。1人のトップが判断すべき事柄も増えるため、過度な負担が懸念されています。

権限の集中は変わらない

道州制であっても、1人のリーダーが全体を統治する構造は変わりません。予算の権限が与えられるタイプの道州制ではむしろトップの裁量が大きくなる可能性もあります。トップの任期や任用条件次第では現行以上に癒着が生まれやすくなるのではないか、という意見もあります。

まとめ

「平成の廃藩置県」とも呼ばれた道州制は国の再編を目指す制度です。「中央集権から地方分権へ」という流れの中で議論が進められてきました。

大阪都構想住民投票の際にも一緒に話題となり、今後も話題になる事があるかもしれません。

様々な角度からの意見を知り、自分の考えを持つことが重要です。

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