【ユニセフ】活動内容や設立経緯、正式名称などをわかりやすく解説!
ユニセフ(UNICEF)とは?
ユニセフは非常に認知度の高い団体と言えますが、具体的にどのような活動をしているのか分からない方も多いと思います。
この記事ではユニセフがどのような事業を展開し、実績を残した団体なのか解説しています。
ユニセフの成り立ち・背景
ユニセフは、発展途上国の子どもたちを支援する機関です。
もともとは第二次世界大戦の影響を受けた国々の困窮した子供達を支援するために、1946年の12月に当時の国連総会で「国際連合国際児童緊急基金」という名で設立が採択されました。
のちにユニセフは後に正式名称を「国際連合児童基金」に変えることとなりました。英語の略式名称であるUNICEFは多くの人に親しまれていたことからこれを変えずに、 United Nations International Children’s Emregency Fund の頭文字をとってUNICEF(ユニセフ)の使用を継続しました。
「すべての子どもの命と権利を守ること」を使命としており、現在では約190ヵ国で活動しています。
ユニセフの活動内容
主な活動として9つあり、保険、HIV/エイズ、水と衛生、栄養、教育、子どもの保護、インクルージョン、ジェンダーの平等、緊急/人道支援があります。
中でも「インクルージョン」という言葉はあまり日常で耳にしないかもしれません。インクルージョンとは主に人種や価値観、障がいによって差別を生まない社会のことを指します。言い換えれば、子どもたちを社会の一員として含める、受け入れるということです。
ユニセフの変化
第二次世界大戦が終わり、しばらく経った1949年から東京オリンピックが開催されるまでの15年間、ユニセフは日本でも活動を開始し、かつ継続していました。
戦争で困窮した日本の子供達のために給食用の脱脂粉乳や、衣類を作成するための原綿また、健康を守るための医療品なども送り支援し続けました。しかしこの間に欧州の子供達は平穏を取り戻しつつあったため、「ユニセフは支援機関としての役割が終わり始めていたのでは」という世間からの厳しい意見が数多く挙がっていました。
そのような中でユニセフは支援対象を欧州の子供達も含みつつ、かつ更に発展途上国の子供たちの存在にも気づき、支援の輪を広げたのです。ここから「途上国の子供達の長期的ニーズに応える活動を最優先していきました。
ユニセフの課題
ユニセフの2022年から2025年までの戦略計画書によれば、未だ様々な児童に関する懸念点が浮き彫りにされています。
例えば2020年から2030年までの間に4800万人もの5歳未満児が予防可能な要因で亡くなることが予想されている他、2020年3月から2021年3月までの1年間で、パンデミックによる学校閉鎖により2億1,400万人の学齢期の子どもが対面式授業の半分以上を受けられなかったなどがあげられます。
これらに対処するためにユニセフは目標分野として「栄養の高い食事の提供」、「将来のためのスキル育成」、「ネグレクトなどの有害慣習からの保護」と「清潔な水と衛生環境の提供」の4つの区分に分けて実行できるようにしています。
まとめ
ユニセフは一時は目的がなく、存在意義が薄れた組織とされましたが、新しい存在理由と目的を見つけたことによって今もなお世界中の子どもたちの援助を続けられる団体へと成長することができました。
ユニセフは創設から75年以上の時が経つ今でも、戦争や新型コロナウィルスを含む様々な事象によって命の危険にさらされている子供たちを救っているのです。
参考になるサイト
- 日本ユニセフ協会、ユニセフについて|https://www.unicef.or.jp/sp/about_unicef/
- 日本ユニセフ協会東京事務所|https://www.unicef.or.jp/aboutunicef/aboutorg_01.html
- ユニセフ戦略計画2022-2025 2030年を見据えた新たな目標|https://www.unicef.or.jp/library/pdf/UNICEFStrategicPlan20222025.pdf