【ポリアモリー】特徴・意味を解説!由来や法律との関係は?
ポリアモリーとは?一夫多妻制との違いや問題を考える
ポリアモリーは日本語では複数恋愛とも呼ばれ、関係者全員の合意を得た上で複数の恋愛関係を結ぶことを指します。ポリアモリーには誤解や偏見も多くあります。ポリアモリーについて考えてゆきましょう。
ポリアモリーの起源
ポリアモリーは1990年代にアメリカから広まったとされています。ポリアモリーは複数の相手と交際するわけですから一般的な「浮気性」「性に奔放な人」といった印象を抱きがちです。しかし、ポリアモリーの場合は、関係者全員の合意を得ている前提があります。関係者の同意を得ていない不倫や浮気といったものとは異なると言えます。
一夫多妻制との違い
日本では一夫一妻制が取られています。これはモノガミーと呼ばれます。これはポリアモリーとは相性が悪いように見えます。
世界を見渡してみると一夫多妻制が認められている国や地域もあります。この一夫多妻制とポリアモリーの大きな違いは、誰が主導権を持っているかです。
一夫多妻制の場合、ひとりの男性が複数の女性を妻としています。その中心にいるのは男性です。一夫多妻制の場合、妻の女性たちはほかの男性と付き合うことができないとされていますが、ポリアモリーの場合はお互いの恋愛の自由を認め合う関係のため、そうした制限はありません。そのため、一夫多妻制とは明確に異なると言えます。
ポリアモリーの特徴
ポリアモリーは、身体的な結びつきよりも精神的な結びつきが強いと言われています。ポリアモリーは、必ずしも身体的に結びつき、男女の場合であれば、関係者の全員と子供を持ち、家庭を築くといったことは前提とされていません。
私たち自身を振り返ってみてもわかりますが、心の変化は流動的です。誰かと交際していたとしても、その途中にほかの誰かを好きになる、あるいは心が揺らぐ経験は誰しもあるでしょう。一対一の関係に縛られない自由な恋愛を求める姿がポリアモリーと言えるでしょう。
さらに、ポリアモリーにはさまざまな形があることも忘れてはいけません。ポリアモリーで恋愛の対象となるのは、異性ばかりではなく、同性である場合もあります。あるいはその両方という場合もあります。さらに生活に関しても、ポリアモリーの複数の関係者が、同じ場所に住むという場合もあります。
法的な問題はないのか?
それではポリアモリーには法的な問題はないのでしょうか。
結婚をしている男女の夫婦の場合、夫婦は互いに浮気や不倫をしてはならない義務を負っています。民法770条には「配偶者に不貞な行為があったとき」に離婚の訴えを提起することができると定められています。さらに民法752条には「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない」と定められています。「不貞な行為」には不倫や浮気が含まれます。
結婚をしている男女が、別の人間と不倫関係に陥った場合、離婚を申し立てられ慰謝料などを請求される可能性があります。その場合「自分はポリアモリーである」と主張しても、責任を逃れることはできません。
口頭だけで「自分はポリアモリー」であると主張するのは法的にはリスクがあります。当事者間で十分に話し合いを行い、場合によっては同意書などを用意する必要があると言えます。
まとめ
ポリアモリーとは関係者全員の同意を得た上で、複数の相手と自由な恋愛関係を築くことを言います。1990年代にアメリカから広まりました。これは各人の自由な意思に基づくもので、夫に主導権がある一夫多妻制とも異なります。さらに身体的な結びつきばかりでなく、精神的な結びつきを重んじる傾向があります。恋愛の対象は異性とは限らず、さまざまな形があります。また、婚姻をし夫婦関係にある人がポリアモリーを実践する場合には法的なリスクが伴う場合もあります。
参考になるサイト
- IDEA FOR GOOD|ポリアモリーとは・意味|https://ideasforgood.jp/glossary/polyamory/
- WebLEON|知っていますか? 「ポリアモリー」(複数恋愛)という生き方|https://www.leon.jp/lifestyle/10797
- 弁護士法人 法律事務所ロイヤーズ・ハイ|ポリアモリー(複数恋愛)は法的にNG? 慰謝料請求される可能性あり|https://isyaryou.lawyers-high.jp/lp-charged/5072/
- 桑原法律事務所|貞操義務とは?|https://www.kuwahara-rikon.com/columns/737