社会・環境

【オゾン層破壊】原因・環境への影響・モントリオール・オゾンホールを解説

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地球温暖化とオゾン層破壊の関係を考える

環境問題に関心がある人は「オゾン層破壊」「オゾンホール」といった言葉を聞いたことがあるでしょう。オゾン層が破壊されるとどのような問題が起こるのか、私たち人間にはどのような影響があるのか考えてみましょう。

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オゾンホールとは

まずオゾン層とは何かを確認していきましょう。

オゾン層とは?

気象庁のサイトではオゾン層の構造について解説がなされています。オゾン層は酸素原子3つからなる気体です。オゾンは成層圏(約10~50キロ上空)に約90%存在しています。なかでも25キロあたりの場所に多く存在し、これがオゾン層と呼ばれます。層といっても上空に存在するオゾンを地上に集めて0度に換算すると3ミリ程度の厚さににしかなりません。

オゾンは太陽から発せられる有害な紫外線を吸収し、地球上の生態系の維持に役立っています。このオゾン層に穴が空いた状態がオゾンホールと呼ばれます。

酸素に紫外線が作用して「オゾン」が形成されます。

オゾンは上空10km~50kmの成層圏に多く存在し、中でも25km付近に集中しており、このオゾンが濃い空気の層のことを「オゾン層」と呼んでいます。

オゾンには太陽から降り注ぐ有害な紫外線を吸収する役割があります。

そのおかげで地球には豊かな生態系が作られました。

オゾンホールは地球に開いた穴

オゾンホールが生ずる原因となるのがフロンガスです。フロンガスは無色、無臭、不燃性と化学的に安定した物質のため、かつては冷蔵庫の冷媒、電子部品の洗浄、発泡スチロールの発泡剤、スプレーなどの広い用途に使われました。1970年代に入ると大気中に放出されたフロンガスがオゾン層破壊の原因であると明らかになりました。

オゾンホール拡大による影響

オゾンホールが拡大するとどのような影響があるのでしょうか。オゾンは、太陽から発せられる有害な紫外線を吸収しています。紫外線が直接地球上に降り注ぐようになります。

紫外線が人体に与える影響としては皮膚がんや白内障の増加や免疫機能の低下などが指摘されています。オゾン層の破壊により、皮膚がんが増加する懸念は国連機関であるWHO(世界保健機構)によっても指摘されています。

縮小傾向!?オゾンホールの面積の推移

フロンガスの大気中への放出がオゾン層の破壊の原因であるとわかったのは1970年代に入ってからです。フロンガスは廃止され代替フロンが使われるようになりました。そのため、オゾン層の破壊は縮小傾向にあると言われています。

気象庁が公表しているオゾン全量の経年変化によれば、オゾンは1980年代を中心に1990年代はじめまで減少していましたが、2000年代前半にかけてはゆるやかな増加傾向が見られると報告されています(観測地点は札幌とつくば)。

世界平均のオゾン全景も、80年代から90年代はじめは減少したものの、その後の2000年代は変化が小さくなっています。全体的にわずかな回復傾向が見られるものの、オゾン層破壊が顕著となる以前の水準と比べれば少ない状態が続いています。

環境条約「モントリオール議定書」

オゾン層の保護のためには国際的な環境条約が存在します。オゾン層保護を目的とした条約としては1987年発効の「オゾン層の保護のためのウィーン条約」があります。この条約に基づいてオゾン層破壊物質の生産・消費を規制するために1989年発効の「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」も作られました。1980年代はオゾン層の破壊が拡大していましたが、それが見られなくなるなど一定の成果をあげました。

ただ、フロンガスの代替製品であるハイドルフルオロカーボンの温室効果が高いため、地球温暖化の要因の一つとなっている指摘も新たに生じました。そのためモントリオール議定書を改正する「キガリ改正」が2016年に行われ、現在は代替フロンガスも削減義務の対象となっています。

まとめ

オゾン層は成層圏中に存在し、太陽から発せられる有害な紫外線を吸収し地球の生態系を保護する効果がありました。1970年代に、フロンガスがオゾン層を破壊し、穴ができるオゾンホールが生じると明らかになりました。そのためフロンガス規制が行われ、オゾン層保護を目的とする国際環境条約も作られました。オゾン層の減少には一定の効果を見せたものの、オゾン層破壊前の水準には戻っていません。

参考になるサイト

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政経百科編集部
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