国際

【核保有国一覧・まとめ】|現在の保有数や核兵器開発の現状をわかりやすく解説!

hensyubu
記事内にアフィリエイトを含む場合があります

【2024年最新版】核保有国とは?歴史・現状・条約、そして私たちにできること

みなさんは、世界に核兵器を保有する国がいくつあるかご存知ですか?

国際社会において、核兵器は、その破壊力ゆえに、常に国際的な議論の的となっています。

この記事では、2024年現在の世界の核保有国一覧・定義と、保有数、核兵器開発の現状について、わかりやすく解説します。

あわせて読みたい
【敵基地攻撃能力】安保三文書・防衛三文書をわかりやすく解説!問題点はあるの? 
【敵基地攻撃能力】安保三文書・防衛三文書をわかりやすく解説!問題点はあるの? 
スポンサーリンク

核保有国とは?

核保有国とは、文字通り核兵器を保有する国家のことです。ただし、国際的に認められた定義は存在しません。

一般的には、核兵器の開発・保有・使用などを禁じた「核拡散防止条約(NPT)」体制において、「核兵器国」として認められている5カ国(アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国)を指すことが多いです。

【2024年版】世界の核保有国一覧

2024年現在、核兵器を保有しているとされている国は以下の9カ国です。

また、核兵器の保有を公表していないものの、核兵器の保有が疑われている国もあります。

核兵器国(NPT体制)核兵器保有国核兵器保有が疑われている国
アメリカインドイラン
ロシア(旧ソ連)パキスタンシリア
イギリスイスラエル(サウジアラビア)
フランス北朝鮮(ミャンマー)
中国

核兵器国(NPT体制)

  • アメリカ合衆国
  • ロシア連邦(旧ソビエト連邦)
  • イギリス
  • フランス
  • 中国

核兵器保有国(核拡散防止条約では認められていないが、保有している国)

  • インド
  • パキスタン
  • イスラエル
  • 北朝鮮

核兵器保有が疑われている国

  • イラン
  • シリア
  • (サウジアラビア)
  • (ミャンマー)

インド、パキスタン、イスラエルはNPTに加盟しておらず、北朝鮮は一度NPTに加盟したものの、その後脱退しています。

核保有各国の開発の歴史と解説

核兵器が初めて開発されたのは、第二次世界大戦中のアメリカです。

1945年7月、人類初の核実験「トリニティ実験」が行われ、同年8月には、日本に対して広島と長崎に原子爆弾が投下されました。

その後、ソ連(現在のロシア)が1949年に核実験を行い、イギリス、フランス、中国も相次いで核開発に成功しました。冷戦時代には、アメリカとソ連による核軍拡競争が激化し、世界は核戦争の危機に瀕しました。

核兵器保有国の各国の現状

ここからは、核兵器保有国の各国の現状を見ていきましょう。

核兵器国(NPT体制)

アメリカ

世界で初めて核実験を成功させたのは1945年のアメリカです。

当初は日本を攻撃するためでなく、ナチスドイツが核兵器を持ったら大変なことになると考え、それに先駆けて完成させました。

以後、核実験を続け、その脅威は世界の警察と言われるまでになりました。

ご存知の方もいるかとと思いますが、アメリカで唯一の核のボタンを起動させることができるのは大統領であり、職務中も休暇中も、常に周りの人が核のボタン(アタッシュケース)を携帯しています。

ロシア(旧ソビエト連邦)

アメリカに遅れること5年、ソ連が核実験を成功させました。

当時、冷戦の真っ最中、ソ連は最初の実験に成功すると自国の広大な土地を利用して壮絶な勢いで実験を繰り返しました。

現在では核弾頭の数はアメリカを追い抜き、世界で最も核弾頭を保有する国となっています。

イギリス

イギリスは上記の2カ国に次いで3番目の核保有国となりました。

保守党のチャーチル政権が発足し、国内では労働党からの批判も大きかった中、小国の島国であるイギリスは自国の影響力の弱体化を恐れ、1952年、オーストラリア近海での核実験に踏み込みました。

国内での批判もあがりましたが、その後も自国の力を誇示するため、実験を重ねました。

また、先陣を切って核兵器の開発に反対していた学者ラッセルは、イギリス人です。

現在、イギリスの核弾頭の多くは潜水艦に搭載されています。

フランス

イギリスがアメリカのデータを引き継いで核実験を成功させたのに対して、フランスは独自で開発を進めていきました。初めて成功したのは1960年のことです。冷戦中、西側陣営でアメリカ、イギリスが核兵器を独占保有し主導権を握っていたことに反発した当時のド=ゴール政権が核実験に積極的に踏み切りました。

アメリカ、イギリスの反対がありながらも実験に成功し、2カ国と対等な関係を保持すると、NATOを脱退し、独自の防衛体制を整えました。(アルジェリア問題など、核開発意外にもフランスが米英と対立していた要因もありましたが、今回は割愛します)

フランスは、2009年にNATOに完全復帰しています。

中国

1964年に中国は、アジア初の核兵器保有国となりました。

広島への原爆投下以来、世界平和(均衡)を維持し戦争を抑止するためには、全ての国が核兵器を保有すれば良い、と考えていたのが毛沢東でした。

日中戦争の戦場となり国内も混乱していた中国は、様々な技術開発をソ連に頼っていました。そんな中国が核実験に踏み切った理由の一つが、1950年代の中ソ対立であると言われています。

ソ連は、「ソ連が中国に核を提供することは、アメリカが西ドイツに核を提供する口実を作り得る」として、中国に核兵器に関する情報を渡すことを拒否しました。

そこで中国は、ソ連に従属するのではなく独自の影響力を保持しようと、

1959年に中ソ技術協定を破棄して、ソ連にいる技術者を帰国させて核開発を決断しました。

その他の核保有国について

インド

世界第2位の人口を抱え、2020年代には中国を追い抜き人口世界1位に躍り出るとされているインドも、実は核保有国です。

初めて核実験を行なった1974年、ガンジーは原子力の平和的な利用が目的だと主張しましたが、1970年に発行したNPTについて、「5大国の軍事的優位性を加速させるものだ。」として加盟を拒否した4年後の核実験ですから…

真の目的は他の保有国と同様、自国の軍事的影響力の保持であったことは明白でしょう。

中国の西側、ロシアの南側に位置するこの大国は1998年にも核実験を行ない、続いて後述のパキスタンも核実験に踏み切ったことで、南アジア世界に緊張が走りました。

パキスタン

インドと分離する形で独立したパキスタンは、独立以来現在に至るまで、カシミール地方の帰属を巡ってインドと対立しています。(2019年2月にも空爆しあうほど根深い対立と緊張が続いています)

その後、3度にわたってインド=パキスタン戦争が勃発しました。

以前から中国の協力の元、核開発が進められてきましたが、1998年のインドの核実験後、

インドに対抗するためすぐにパキスタンでも核実験が行われました。

パキスタンの核開発に関しては、当時輸出規制がされていた遠心分離機(核開発における重要なパーツ)を日本企業が提供していたのではないかという疑惑があります。

また、パキスタンは冷戦終結後初めての核保有国となりました。

北朝鮮

たびたびニュースで話題となる北朝鮮ですが、朝鮮戦争休戦以来、核兵器の開発を進めてきました。

理由は、もちろん、自国の影響力の誇示ですが、北朝鮮は核実験の中止というカードをチラつかせながら、経済制裁緩和を求めて国際社会との駆け引きをしています。

もともとNPTに加盟していましたが、1993年と2003年に脱退を表明し、2006年に初の核実験を行ないました。

イスラエル

正式に核保有を肯定していないものの、イスラエルは核兵器を保有していることが確実であるとされています。イスラエルは中東で唯一のNPT非加盟国です。

1979年に核実験を行なったとの疑惑が浮上しましたが、アメリカの調査でこれは否定されました。(しかし、アメリカとイスラエルは同盟国です)

イスラエルが核実験を決断した理由は、やはりアラブ地域との対立です。

第1次世界大戦後のイギリス多重舌外交によってアラブ地域は現在まで紛争状態が続いており、そのことが背景になっていることに疑いの余地はありません。

核兵器保有が疑われている国

イラン

イランもイスラエル同様、核兵器の保有を疑われている国です。

2002年、内部告発によって、イランには以前から核開発の計画があったことが暴かれ、国際社会から嫌疑をかけられました。

原子力を利用するためには国際原子力機関の承認がいるのですが、2003年、国際原子力機関の許可なくウランを濃縮する施設を建設していたことが判明しました。

それにより、イランは軍事的利用が可能な核兵器の開発に乗り出している、あるいは完成しているとされています。

しかし、イラン政府は原子力の開発を認めたものの、軍事的な核兵器の開発には否定を続けています。

シリア

シリアでは、核兵器開発に必要なプルトニウムを製造するための施設が、北朝鮮の支援によって建設されたとされています。

しかし、北朝鮮はこれを否定しています。

施設自体はイスラエルによって破壊されましたが、シリアは国際社会で孤立しており、政府軍と反政府勢力による紛争状態が続いているため、詳細は不明です。

核保有国、核保有疑惑国は以上の11カ国ですが、最近では、サウジアラビアとミャンマーも疑いがあるのではないかとされています。

今後、各国の偵察機や衛生がさらなる進化を遂げれば、その実情がはっきりしてくるかもしれません。

核兵器開発の現状

冷戦終結後、核兵器の保有数は減少傾向にありましたが、近年は再び増加の兆しを見せています。

これは、国際情勢の不安定化や、新たな技術開発などが背景にあると考えられます。

核兵器近代化

既存の核保有国は、老朽化した核兵器の近代化を進めています。

特にアメリカとロシアは、多額の予算を投じて、新型の核兵器や、ミサイル防衛システムの開発を行っています。

これは、核抑止力の維持を目的としていますが、軍拡競争を再燃させる可能性も懸念されています。

新たな核兵器の開発

核兵器を保有していない国でも、核兵器開発の動きが見られます。

特にイランは、核兵器開発疑惑が国際的な問題となっており、度重なる経済制裁を受けています。

また、北朝鮮は、核兵器開発を強行し、核実験やミサイル発射を繰り返しており、国際社会にとって大きな脅威となっています。

核兵器開発への懸念

核兵器の開発や保有は、国際的な安全保障上の大きな脅威となっています。

核兵器の使用は、人類にとって壊滅的な被害をもたらす可能性があり、その拡散は、国際社会全体の不安定化につながります。

そのため、核兵器の廃絶に向けて、国際的な取り組みを強化していくことが必要です。

核兵器に関する条約と国際的な取り組み

核兵器の廃絶や拡散防止に向けて、国際社会では様々な取り組みが行われています。

主な条約や枠組みは以下の通りです。

核拡散防止条約(NPT)

NPTは、核兵器の拡散を防ぎ、核軍縮を進めることを目的とした国際条約です。1970年に発効し、現在では190カ国以上が加盟しています。

NPTは、核兵器国に対して核軍縮義務を、非核兵器国に対して核兵器の開発・取得の禁止を義務付けています。

包括的核実験禁止条約(CTBT)

CTBTは、あらゆる環境における核実験を全面的に禁止する条約です。1996年に採択されましたが、発効に必要な国の批准がまだ得られておらず、現在も発効していません。

核兵器禁止条約(TPNW)

TPNWは、核兵器の開発、保有、使用などを全面的に禁止する条約です。2017年に国連で採択され、2021年に発効しました。

しかし、核兵器国や、日本を含むアメリカの「核の傘」に依存する国々は参加していません。

核軍縮に向けた課題

核兵器の廃絶は、容易な課題ではありません。核保有国は、自国の安全保障上の理由から、核兵器を保有し続ける姿勢を変えていません。

また、核兵器の開発技術や材料の拡散も、依然として懸念されています。核軍縮を進めるためには、国際社会全体で協力し、核兵器のない世界に向けた具体的な行動を起こしていくことが重要です。

私たちにできること

核兵器の廃絶は、政府や国際機関だけの問題ではありません。私たち一人ひとりが、問題意識を持ち、行動を起こしていくことが重要です。

核兵器の脅威について学ぶ

まずは、核兵器の脅威について、正しく理解することが大切です。

核兵器に関する書籍やウェブサイト、映画などを通じて、核兵器の歴史や現状、その脅威について学びましょう。

平和活動への参加

核兵器廃絶を訴えるNGOや市民団体などが、様々な活動を行っています。署名活動、デモ、講演会などに参加することで、核兵器廃絶に向けた運動を支援することができます。

また、核兵器廃絶をテーマにした映画や演劇などを鑑賞したり、SNSなどで情報を発信したりすることで、問題意識の向上に貢献することができます。

まとめ

この記事では、世界の核保有国一覧と、核兵器開発の現状について解説しました。核兵器は、人類にとって最大の脅威の一つであり、その廃絶は、国際社会全体の喫緊の課題です。

私たちは、この問題について、深く考え、行動を起こしていく必要があるでしょう。

あわせて読みたい
【敵基地攻撃能力】安保三文書・防衛三文書をわかりやすく解説!問題点はあるの? 
【敵基地攻撃能力】安保三文書・防衛三文書をわかりやすく解説!問題点はあるの? 
あわせて読みたい
【憲法9条改正】賛成意見・反対意見や議論の自衛隊明記・2項削除などの改正案を解説!
【憲法9条改正】賛成意見・反対意見や議論の自衛隊明記・2項削除などの改正案を解説!
あわせて読みたい
【人権問題】北朝鮮による日本人「拉致問題」について解説
【人権問題】北朝鮮による日本人「拉致問題」について解説

参考になるサイト

X(旧Twitter)で記事内容に対する
意見を広げてください!
スポンサーリンク
著者について
政経百科編集部
政経百科編集部
監修者
選挙・ニュース・授業がもっと楽しくなるをモットーに政経・社会課題を分かりやすく解説します。みんなの「参考書」を目指して情報発信中!様々な政治経済や社会に関する情報を提供し、読者の皆さんに理解や共感をお届けしています。
スポンサーリンク
記事URLをコピーしました