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【国家】国が成り立つ三要素や歴史、種類などを解説!

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【解説】国家とは?いつからできた?

国家とは一体なんなのでしょうか?陸地や海だけで捉えると、ただ国が線で区切られているだけに見えます。しかし、国家はそれぞれ特徴があり、違った考え方があり、住んでいる人も異なります。

国家を理解することで、国際問題や社会問題を考える時に考えの幅が広がるのです。また、グローバリゼーションの時代に国家について深く理解しておくことは重要だといえます。

この記事では国家という概念を理解するために、国家が成り立つ条件、国家の起源、国家の範囲と考え方の違いについてご紹介します。

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国家が成り立つには?

第2次世界大戦以降、国家の数は増え続けています。その多くは国連に加盟する権利があります。国連に加盟している国家の数は約1,900。

さて、約1,900もある国家はどのようにして成り立っているのでしょうか?国家の概念についてご説明します。

国家を構成する三つの要素

国家は3つの要素から構成されています。

  1. 主権(政府)
  2. 領土・領域
  3. 国民(永続的住民)

国際法上ではこの3つの要素に加え、外交能力が必要とされます。国家としての資格が認められるために、この外交能力は決定的な要件とされています。

主権

主権は国際関係において最も重要な概念の1つです。30年戦争の後の1648年にヨーロッパで締結されたウエストファリア条約により、主権国家という概念が確立されました。

主権は2つの要素から構成されます。

  • 国家の属地性(他の国と対等である権利)
  • 内政不干渉の原則(他の国に支配されたり、干渉されたりしない権利)

領土・領域

領土・領域とは国際的な取り決めで定められたものです。

領土は国が持つ陸地のことで、独占的におさめる権利を持ちます。そして、領域は領土に加え、領空・領海の3つの要素から構成されています。

国民

国民とは国家を構成する個々人、あるいはその全体を指します。また、その国の国籍を有する人のことです。

以上の「主権」「領土・領域」「国民」という3つの要素から国家は構成されます。

国家ができ始めたのはいつ頃?国家の歴史は?

国家の起源は諸説あります。そのため、現存している国に限定して、国家の起源をご紹介します。

実は現存している国の中で最も歴史が長い国は日本です。「古事記」「日本書紀」によると起源前660年1月1日(旧暦)が建国日とされています。

約2,700年にわたって、国家が存続してきたことになるのです。しかし、これは伝承による部分もあり、実際の建国は6世紀ごろ(古墳時代)だと言われています。

6世紀に建国されたとしても、約1400年にわたって日本は国家を存続させてきました。そして、現存する国の中では「日本」が最古の国なのです。

国家の範囲はどこまで?

国家の範囲はどのように定義されているのでしょうか?陸地のみの国や日本のように全体が海に面した島国もあります。

国家の範囲を知ることで、陸地以外の範囲も含めて国家の大きさを捉えることができます。

領土

領土とは領海までの陸地のことです。日本の領土は約37万8000平方キロメートルです。

領空

領空とは領土と領海の上空のことです。領空には国の主権が及びます。そして、領空の内側は主権を持つ国の許可を得ずに飛ぶことはできません。

ただし、高度100キロメートル以上は自由な空間です。

領海

領海とは海外線から12海里(約22キロメートル)までの範囲を指します。主権は沿岸の国にあります。

排他的経済水域

排他的経済水域とは海岸線から200キロメートルまでの範囲を指します。沿岸の国は排他的経済水域内の魚や海底資源を独占的にとる権利を持ちます。

国家の考え方

国家の考え方によって、国家のあり方は全く違うものとなります。税金は高いものの、社会保障が手厚い国。一方で税金が低いものの、自己責任的なシステムが構成されている国もあります。

国家の考え方の違いはどのようにして生まれたのでしょうか?

社会契約説

社会契約説は「自由で平等な個人が互いに契約を結んで国家や政治社会をつくった」とする思想です。

ホッブズが生み出しました。人間は自己中心的だという考えが社会契約説がもとになっています。そのため、自己中心的な人間が集まっていると自然権(当たり前に生きていく権利)が保証されないと考えたのです。

よって「国民は国家に服従し、国家のもとに平等に人間が集うこと」が自然権を保証することになると考えたのです。

夜警国家

夜警国家とは1862年にドイツの革命家「フェルディナント・ラッサール」が生み出した思想です。当時のドイツでは裕福な資産家が強い権力を持っていました。そのため、国家は資産家の財産を守るための存在となっていたのです。

そのため、政府の力が最小限となっている状態を指して「夜警国家」と名付けたのです。夜警国家では国家の権力が弱く、市民は国家の干渉を受けることなく自由に暮らすことができます。

しかし、裕福な市民階級の権力が強くなり、裕福でない市民との格差が強まることが「夜警国家」の問題点だと言えます。

福祉国家

福祉国家には統一された定義がありません。しかし、一般的には資本主義によって生み出された社会問題に対して、国の社会保障政策を用いて対処する考え方が基礎となっています。そして、国民の安定した生活を目指すのが「福祉国家」です。

福祉国家の考え方は1942年イギリスで生まれたと言われています。第二次世界大戦後あるべき社会保障政策を検討したところから始まりました。この検討結果をまとめた報告書を「ベヴァリッジ報告」と呼びます。

ベヴァリッジ報告によって、資本主義が生み出す社会的問題は国が責任を持って対処すべきだと報告されたのです。福祉国家の考え方が誕生することで、社会保障政策が重要視されるようになりました。

まとめ

今回は国家について解説しました。国家は「主権」「領土・領域」「国民」という3つの要素から構成されています。

国家の範囲には陸地である「領土」だけでなく「領空」「領海」「排他的経済水域」なども含まれています。

国家の概念を知ることで、現代に発生している社会問題についてより深く理解することができるのです。

参考になるサイト

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政経百科編集部
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