経済・ビジネス

【コンフリクトマネジメント】手順手法や意味目的・メリットやリスクなどを解説!

hensyubu

コンフリクトマネジメントとは?対立・議論を重視!

近年、働き方が多様化するにつれて、職場の環境もより複雑な状態になっています。現場では日々新たな問題や対立が生まれ、それらは時として組織に重大なダメージを与えます。

しかし、コンフリクトマネジメントを用いることで、組織内の問題を解消するにとどまらず、さらに組織を拡大させることが可能なのです。

今回は、そんな「コンフリクトマネジメント」について解説していきます。

スポンサーリンク

コンフリクトマネジメントとは?

コンフリクトマネージメントは、コンフリクト(対立)の名の通り、組織内に存在する相反する意見や条件等により、対立や軋轢が生じた状態を活かし、組織の成長を図る手段のことを指します。

「対立」といえばネガティブなイメージが先行しがちですが、裏を返せばお互いに競争し合う環境が整っているとも言えます。ほかにも、会議などの意見交換の場において多様な意見が出るなど、悪い面ばかりではないのです。

対立する複数の視点が存在することで、意見を出しやすい環境や物事を整備することが容易になります。「対立」は、このようにマネジメント次第で組織の成長や活性化につなげることができるのです。

対立の種類

では、ここでいう「対立」とはどのような性質を持っているのでしょうか。

条件の対立

役職や業務内容によって、組織の構成員ごとに目標や条件は異なります。お互いが持つ条件の違いにより、起こる対立を「条件の対立」と呼びます。

感情の対立

これはお互いの感情の違いが原因となって起こる対立です。感情は原因の特定が困難であることが多く、解決も難しいです。

実戦手順・手法

ここでは、具体的な実践手順について解説していきます。

原因を明確にする

まずは、原因を明確にすることが大事です。問題が発生した原因や理解の相違が何であるかを特定することができます。

両者の意見を開陳させる

次に、当事者同士がお互いに意見を出し合える場所を設定することが重要です。それぞれが問題に対して自分の認識をしっかり持つことができるようにするためです。

解決策の提示

両者の意見が揃ったら、状況の調査を開始し、解決策を提示します。先入観や少ない情報だけで結論を出さないように気を付けてください。

当事者の責任を明確化

解決策の提示だけでは根本的な解決には到りません。対立する両者が、問題に対する最善の解決策について結論を出す必要があります。また、当事者間でお互いが持つ責任を明確にしておきましょう。

予防策を打つ

同じ問題が再び起こらないようにするために、提示した解決策が効果的かどうか検証することも大切です。再び対立が発生する可能性もあります。コンフリクトマネジメントの効果を最大限に活かすためにも、問題に対する定期的な見直しが必要不可欠です。

対立の解決方法と解決に必要なスキル

では、コンフリクトマネジメントにはどのような能力が必要なのでしょうか。

コミュニケーション能力

双方の不満や意見を聞くために欠かせない能力です。ほかにも、自分多他者の感情を理解し、それをうまく処理するためにも必要な能力です。

創造性

できるだけ多くの解決策を思いつくことが成功への近道であり、重要なことです。解決策がないために対立が発生しているので、第三者による視点と解決策がそこに必要となります。

コンフリクトマネジメントのメリット

コンフリクトマネジメントによるメリットを紹介します。

意見を言い合える組織になる

双方の意見を伝えることで対立の解決を目指し、日常的に意見を言い合える環境をつくることができます。意見を言い合える環境は対立以外の場合においても、会議などの場面においても有効です。

団結の強化

善悪、加害者と被害者などの二項対立を超えて、お互いについて理解できるようになるため団結の強化を図ることができます。組織の環境と人間関係は直結しているため、団結の強化が達成されれば、大きなメリットとなります。

モチベーション、生産性の強化

対立の中で、精力的に働くことは難しいでしょう。しかし、コンフリクトマネージメントを通して自分の意見が受け入れられる環境があれば、帰属意識やモチベーションにつながり、生産性向上に期待できます。

コンフリクトマネジメントのリスク

しかし、コンフリクトマネジメントは完ぺきな手法ではなく、リスクも潜んでいます。

メンバーの納得が必要

第三者だけが躍起になってもあまり良い効果は得られません。当事者がコンフリクトマネジメントのメリットや手法を理解することによって、問題解決が円滑に進むようになります。

相手への思いやりが重要

コンフリクトマネジメントにおいては、お互いの視点を尊重し、協力して最適解を見つけようとする姿勢が必要不可欠です。相手を傷つけずに話し合うことにより、相違点や対立の原因の特定がしやすくなります。

医療現場での実践例

ここでは、医療現場においてコンフリクトマネジメントが功を奏した事例を紹介します。

90代男性の例

往々にして、医療現場で事故に遭遇した患者は感情的に混乱しており、医療者が理論的に説明しても問題が大きくなることがあります。

この男性は下痢・嘔吐で入院中に夜間譫妄のため転倒。その直後の頭部CT撮影に異常はなく、退院後2週間してから脳外科で硬膜外血腫と診断され血腫除去術を行いました。

この男性の家族が、医師から譫妄を「一時的なボケ」と説明されたことや看護師が転倒した際、家族に協力を依頼したことで強い怒りを持ちました。

解決への道のり

病院側は複数回面談の場を設けました。その中で、家族は「転倒によって、硬膜下血腫が発症したので混乱してしまい、現実を認識できなかった」と素直な思いを述べ、病院側の主張を受け止めることができるようになりました。不安な感情や混乱を受け止めてくれた安心感で、最終的にその家族は「父のことをよく覚えてくれてありがとうございました。」と、真相を理解する言葉を発しました。

まとめ

みなさんも、組織にいると対立や葛藤に出くわすことが多いのではないでしょうか。その際、コンフリクトマネジメントを知っていれば、適切に事態にあたることができます。

参考になるサイト

スポンサーリンク
著者について
政経百科編集部
政経百科編集部
監修者
政経百科は日本最大級の政治経済解説サイトです。様々な政治経済や社会に関する情報を提供し、読者の皆さんに理解や共感を届ける情報をお届けしています
記事URLをコピーしました