国内政治

【法治主義】法の種類や仕組みをわかりやすく解説

hensyubu
記事内にアフィリエイトを含む場合があります

法治主義とは?政治・経済の基本を確認

法治主義とは「人に善意を期待せず、法律の適用によって人民を統治しようとする思想のこと」です。法治主義について知ることで、法律はなぜ存在するのか、そして社会と法律の結びつきについて理解が深まります。

この記事では、法の概要、法治主義の歴史、日本における憲法・法律・条例・省令についてご紹介します。

スポンサーリンク

法とは?

法とはなんなのでしょうか?最初に思い浮かぶのは法律です。しかし、法律は生まれながらにしてあるもので深くその定義を考える機会は中々ありません。簡潔にまとめると「国ごとに存在するルール」と言えるでしょう。

このように法律には統一された定義がありません。法については様々な考え方、定義が存在しているのです。

1つの考え方をご紹介します。「社会が存在するところに法が存在する」という考え方です。つまり、人が集団で生活していく際「ルール」は不可欠です。しかし、人が増えていくとどうでしょうか?「ルール」は大きくなりいずれ「法律」となるのです。これが法の存在する意義だと言えます。

法の種類

法は枝葉のように種類を分類することができます。まず法は「自然法」と「実定法」に分類できます。この2つを分ける定義が「文章にする必要の無いルールなのか、文章化する必要のあるルールなのか」です。

道徳や倫理は「自然法」と言えるでしょう。法に定義するほどのものではないか、人間として当たり前の価値観と言えるようなものは「自然法」なのです。それでは、「実定法」の先の分類について見ていきましょう。

国内法と国際法

実定法は「法として文章化されているかどうか」を定義として、「成文法」と「不文法」に別れます。実定法だからといって全てを文章化することはできません。そのため、「成文法」と「不文法」が存在するのです。

成文法は更に「国内法」と「国際法」にわかれます。国内のみに適用される法が国内法。国をまたいで適用される法が国際法です。

公法と私法

国内法は「公法」と「私法」にわかれます。公法は国や公共団体及び私人との関係に関する法のことです。私法は私人間の関係に関する法のことです。

このように法は自然法と実定法を始めとして、定義が分類されていくのです。

法治主義の歴史

法治主義はどのように誕生し、発展していったのでしょうか?

法治主義は絶対君主制を否定するところから始まりました。近代国家の誕生に伴って、市民が民主主義的政治原理を構築していったのです。

法治主義の構築を先駆けて行ったのはイギリスだと言われています。民主的政治を運営するためのルール、法を優先とした思想が確立されることを目指していったのです。そして、「法の支配」と呼ばれる政治を構築していきました。

イギリスでは13世紀に法学者ブラクトンが「国王も官吏も神の法、自然の法、この国の慣習法に従って統治すべきである」という法治主義の原点となる考えを述べています。その後、複数の人物により法治主義の考えは確立されていきました。

そして、19世紀末に「A・V・ダンシー」が法の支配観念と議会主権論を結び付けました。この出来事がイギリスの民主主義政治を確実なものとしたのです。

日本における憲法・法律・条例・省令とは?

日本国憲法は、「国の最高法規」(第98 条第1項)であり、「その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない」(同項)とされています。では、法律・条例・省令について見ていきましょう。

法律とは?

法律とは「国会の議決を経て制定される国法の1つ」です。国民が選挙によって選んだ国会議員が作ったルールであり、憲法の次に効力を持つのが法律です。

具体的には、民法・刑法・会社法などが代表的ですが、2021年現在で、およそ1900件の法律があります。国民はそれらの法律に従わなければなりません。

引用:ContractS|法律、法令、規則、条例の違いは?意味や違いを基礎から解説。|https://www.contracts.co.jp/useful/10052/

条例・省令とは?

省令

各省大臣が担当する行政事務について、法律・命令を施行するため、又は法律・政令の委任に基づいて定めるルール(国家行政組織法12条)をいいます。

引用:ContractS|法律、法令、規則、条例の違いは?意味や違いを基礎から解説。|https://www.contracts.co.jp/useful/10052/

条例

「条例」は、普通地方公共団体が制定する自治立法です。地方公共団体の議会の議決によって制定します。法律は国会の議決によるのと同様に、民主的に選定された地方議会議員による議会での議決によって制定されるため、条例は地方の事務に関しては住民に対する拘束力を持ちます。

引用:ContractS|法律、法令、規則、条例の違いは?意味や違いを基礎から解説。|https://www.contracts.co.jp/useful/10052/

法治主義の強みと弱点

法治主義はメリットばかりではありません。もちろん法治主義には強みと弱点があるのです。

法治主義の強み

法治主義では「国民が統一のルールを共有し、守ることで誰もが安心・安全に生活できる環境」を作りやすいことが強みです。地位や特性に関わらず、誰もが同じルールを守るため、同じ価値観の中で平等に生きることが可能となります。

法治主義の弱点

法治主義の弱点は「悪法が存在すること」と「法律で規定されていること以外は守らなくて良いと解釈してしまう」ことです。

法律は時代と価値観の流れによって形を変えていく必要があります。ある人から見れば良い法律でもある人から見れば悪法にもなり得るのです。

また、法律を相対的に考えて、法律で規定されていること以外は何をしても良いと解釈する人もでてきます。しかし、法律ではなくてもマナーや道徳といったものも存在するため、法律は社会で多くの人が生きていくための「ルール」の一部だと言えます。

まとめ

法治主義とは法律の適用によって人民を統制しようとする思想のことです。法治主義はイギリスを先駆けとして思想が確立されていきました。法治主義は国民が同じルールを共有することで国の価値観において平等に生活することができます。

しかし、法律を絶対的だと捉えると、法律に制定されていること以外は何をしても良いと考えてしまいます。法治主義には強みと弱点があることを理解しておきましょう。

参考になるサイト

X(旧Twitter)で記事内容に対する
意見を広げてください!
スポンサーリンク
著者について
政経百科編集部
政経百科編集部
監修者
選挙・ニュース・授業がもっと楽しくなるをモットーに政経・社会課題を分かりやすく解説します。みんなの「参考書」を目指して情報発信中!様々な政治経済や社会に関する情報を提供し、読者の皆さんに理解や共感をお届けしています。
スポンサーリンク
関連記事
こちらの記事もどうぞ
記事URLをコピーしました