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【外国人技能実習制度】目的・職種や問題、廃止、新制度の育成就労について解説!

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外国人技能実習生とは?いつまで?法律や新しい制度についても

近年、日本でも外国人労働者が急増しています。

先日、育成就労法案が成立したことで、旧制度の技能実習について耳にした人も多いのではないでしょうか?

技能実習とはそもそもどのような制度なのか、なぜ廃止される必要があったのかについて、この記事では分かりやすく解説します。

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外国人技能実習制度とは?

外国人技能実習制度とは、国際貢献を名目として、途上国から外国人実習生を受け入れる制度です。実習生は、最長で5年間の間日本で実習を行い、知識や技能を身に着けることが期待されています。

技能実習の対象となる職種

実習生の受け入れが認められている職種は88あり、割合としては建設業や食品製造業が特に多くなっています。ただし、これは実習生の職種内訳をみた場合であり、そもそも実習生が働くことのできる職種は日本人の希望者が少なく、人手不足に陥っている業界がほとんどであるため、農業や漁業従事者に占める外国人実習生の割合は年々高まってきています。

技能実習生の資格や種類

実習生の在留資格は、1年目が1号、2・3年目が2号、4・5年目が3号と、3つに分かれています。

外国人が実習生として来日するには、日本語能力試験でN4以上に相当する日本語力が求められまた2号以上に上がるには、N3への合格、学科・実技試験での合格が必要となります。(N4は基本的な日本語がゆっくりであれば聴き取れるレベル、N3は日常的な場面で使われる日本語をある程度理解できるレベル、とされています。)

技能実習制度導入の経緯

技能実習制度が創設されたのは1993年のことですが、そこには当時の日本の経済状況が深く関係しています。急速な経済成長や産業構造の変化によって、1980年代から人手不足に悩んでいた日本は、国外からの労働力の輸入に解決策を見出します。1960年代から存在していた、企業が海外支社から外国人研修生を受け入れる制度を土台として、1993年に技能実習制度が導入されました。

技能実習制度の目的

このような背景があったにもかかわらず、技能実習が設立された名目は「人づくり」を通じた国際貢献であると謳われました。途上国からの実習生を受け入れることで、外国人が母国では学ぶことのできない知識や技術を身に着け、帰国後にそれを活かしてもらうことが目的であるとされたのです。

しかし、これはあくまで制度上の「建前」に過ぎず、人手不足を補える安い労働力が欲しいというのが「本音」でした。結果として、制度の目的と実態はかけ離れたものとなり、少なくない数の外国人実習生が劣悪な労働環境で働く一因となっていきました。

技能実習制度の問題点

技能実習は当初から多くの問題点が指摘されており、国連の人権委員会からは「現代の奴隷制度」と批判されたほどです。では、具体的にはどのような問題が生じているのでしょうか。

安価で使い捨ての労働力として搾取されている

技能実習はあくまで人材育成や技術移転を目的とした制度であるため、実態としては「労働者」であっても、身分は「実習生」として扱われてきました。このために労働者の権利を守るための法律が適用されず、最低賃金以下の報酬で働かされたり、残業代が支払われなかったり、不当に長時間働かされたりする、といった問題が多発しました。2010年に「外国人技能実習法」が制定されたことで、ようやく実習生にも労働法が適用されるようになりましたが、以前として実習生を搾取する企業はなくなっていません。

また、普通は労働者であれば権利として「転職の自由」がありますが、実習生には原則として転籍が認められておらず、ブラック企業に斡旋されると、そこから抜け出すことは非常に困難です。

来日のために多額の借金を負わされている

実習生を受け入れるほとんどの企業は、日本の監理団体からの紹介で実習生を見つけますが、途上国で実習生を募集するのは外国の送り出し機関の役割です。

ところが、この送り出し機関のうちの多くが、現地で実習生を集めるためにブローカーに依頼しており(もちろん違法な行為です)、そこにかかる高額な手数料を実習生が負担させられているのです。途上国の収入ではとても払いきれない金額なのですが、「日本に行けばすぐにたくさん稼げる」などと甘い言葉に騙され、借金を背負って来日してしまうのです。

監理団体や送り出し機関がきちんと監視・評価されていない

監理団体は非営利組織であることを定められているにもかかわらず、実際には利益を得ることを目的に実習生を斡旋している悪徳団体が少なくありません。本来、監理団体の役目としては、受け入れ企業が適切に実習を実施しているか監査を行ったり、実習生が問題を相談できる体制を整えたり、実習後に帰国の支援したりすることが求められています。しかし、営利目的の監理団体の中には、監理費を安くして多くの企業と契約し、その後の監査や実習生のケアを行わなかったり、実習生の受け入れ数に応じて送り出し機関から違法に礼金を受け取ったりするなど、悪質な団体も存在しています。

技能実習に代わる新制度「育成就労」

このように悪名高い制度となっていた技能実習ですが、廃止や制度改革を求める声が国内外で高まっていたことから、2024年6月14日、ついに技能実習の廃止が正式に決定し、それに代わる新たな制度として「育成就労」が創設されることとなったのです。育成就労は2027年に施行予定となっており、技能実習はそれまで継続される予定です。

育成就労の評価されている点

新制度では、目的が国際貢献ではなく人材確保であることが明記されました。期間は3年間に統一されて制度がシンプルでわかりやすくなり、技能実習では認められていなかった転職も就労1~2年後から可能になりました。また、技能実習では日本で働き続けたいと思っても、それが難しい制度設計でしたが、育成就労では対象分野が特定技能と同じに揃えられ、一定以上の日本語能力と技能が認められれば、より長く働ける特定技能に移行しやすくなりました。

育成就労に残された問題点

一方で、転職が可能になったとはいえ、就労後すぐの転職は認められていないこと、監理団体や送り出し機関に対する有効な規制方法が定められていないことなど、解決されていない問題点も多く残っています。特定技能の2号まで上がることができれば、母国から家族を呼び寄せられますが、それには育成就労の3年と特定技能1号の5年、合わせて8年もかかることとなり、人権保障の観点から懸念されています。

まとめ

この記事では、技能実習の基本的な仕組みや、長年指摘されてきた問題点について解説しました。

あと数年で育成就労に置き換わることが決まりましたが、解決されていないままの問題点、新たな懸念点も指摘されています。とはいえ、今後もこうした制度で来日する外国人労働者はますます増えてゆくことが予想されます。

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政経百科編集部
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