【親ガチャ】いつから?意味や失敗・ハズレ・負け組の例、批判などを解説!
親ガチャとは?甘えでくだらない?家庭環境と子供の人生の社会問題を考える
「親ガチャ」という言葉を聞いたことはありますか?
SNS等を中心に広まり、若者の間では知らない人の方が少ないのかもしれません。
今回は、親ガチャという言葉の意味や広まった経緯、家庭環境や親が子供の人生に与える影響などを考えていきます。
親ガチャとは?
「ガチャ」という表現は、元々はカプセル自動販売機の商標である「ガチャガチャ」または「ガチャポン(ガシャポン)」から来ていて、カプセルの中のおもちゃ等がランダムにでてくる機械のことを指します。
そこから、子供にとって自分で親を選ぶことは出来ないという状況のことが「親ガチャ」と表現されるようになりました。
元々の「ガチャガチャ」と同じように、親についても、当たりハズレがあるかのようなニュアンスも含まれています。
「親ガチャ」の他にも、「子ガチャ」「身長ガチャ」「容姿ガチャ」などの言葉も、生まれ持った環境などを選べないことを揶揄して、ネット上では使われています。
いつから話題に?
「親ガチャ」は2015年頃からスマホゲームの流行と共に自虐ネタの1つとして使われ始めましたが、2021年9月頃からは毒親・経済格差等のシリアスな場面を指す言葉としてネット上を中心に話題となりました。
すると、その現象が地上波の情報番組で取り上げられ、スタジオの議論で賛否が分かれました。
更には、その地上波の情報番組での様子がネットニュースでも取り上げられ、SNS→テレビ→ネットニュース→SNS→…というように瞬く間に広まっていきました。
2021年ユーキャン新語・流行語大賞のトップテンに選出され、同年の大辞泉が選ぶ新語大賞では大賞となりました。
親ガチャハズレの例
親ガチャは、親がランダムで選べないことを指す言葉ではありますが、実際にはどのような親や家庭環境が「ハズレ」と言われているのでしょうか。
人によって恵まれない家庭環境や毒親などへの捉え方は違い、一概には言えませんが、代表的なものの一部を見ていきます。
貧困・経済格差
ハズレの事例としてよくあげられるのは、貧困や経済格差の問題です。
教育費にどのぐらいかけられるのかは、子どもの成長に影響すると言われています。
また、以前と比べて幼少期や学生時代からお金のかかる娯楽に触れる機会も増えており、衣食住がままならないといった事だけではなく、ファッション・メイク・娯楽などでの格差も目に見えるようになったとも言われています。
貧しい家庭に生まれた人は仕事などで成功することが難しいということも言われており、その子どもが結婚・出産をした際に金銭的余裕のある家庭を築くことが難しいという貧困の連鎖も社会問題となっています。
家庭内の治安
アルコール・薬物・ギャンブル依存や児童虐待・DV、借金、過干渉、両親間の不和、精神疾患、宗教信者なども「親ガチャ」ハズレの例としてあげられることもあります。
家庭内の過ごしやすさ、心身ともに健康で生きられる家庭環境か、などが親ガチャの当たり・ハズレの判断で重要視されているといえます。
機能不全家族
親による精神的暴力や過度な支配・干渉は子どもにとってトラウマとなってしまう場合もあります。また、これらの家庭のことを機能不全家族と呼ぶこともあります。
本来の年相応の言動が許されない状況で育つため、
- 他人の顔色や迷惑を過剰に気にする
- 良い子でいようとする
- 自己肯定感が異常に低くて生き辛さを感じる
などの傾向を持つ「アダルトチルドレン」になりやすい傾向があるとも言われています。また、幼少期からいわゆるヤンキー・不良とされる素行不良となってしまうこともあります。
親ガチャへの批判
SNS等で話題になる一方で、親ガチャに対する批判的意見もあげられています。
自分の人生が思い通りにいかないことを「親」のせいにしているだけでは?という批判もあれば、経済格差や家庭環境の深刻な問題なのに軽い感じで表現されることへの批判もあります。
著名人の親ガチャへの反応
ここからは、著名人による親ガチャに関する発言をみていきます。
岸田文雄 内閣総理大臣
岸田文雄内閣総理大臣は、自民党総裁選の際に出演した番組にて、「寂しく、悲しいことだ。子育て世帯をしっかり支える施策を用意し、格差をなくさなければならない」と発言し、社会保障等の政策的な支援の重要さを主張しています。
橋下徹 元大阪府知事
大阪府知事・大阪市長を歴任した橋下徹は、「親の立場からすると、子どもに“親ガチャ”なんて言われたら辛い」とした上で、「本当に家庭環境が厳しい子どもは、そういうことも言えないと思う」「虐待などに苦しみ、命を落とす子どもたちもいる。そこはやはり行政がサポートする体制を作らなければいけない」「子どもを育てるにあたっての一定の知識とか意識のハードルを設ける必要もあると思う」などと述べています。
乙武洋匡(作家・コメンテーター)
五体不満足の著者であり、2度国政選挙に出馬したことのある乙武洋匡は、「私は『肉体ガチャ』に外れた。きっと他のガチャに外れた人もいるだろう」「私は、どんなガチャを引いても豊かに生きられる社会にしたい。それには、とにかく選択肢を増やすこと」と主張しています。
まとめ
今回は、親ガチャというネット上では話題になっている言葉をきっかけに、家庭環境や親が子どもの人生に与える影響について考えていきました。
その人の人生には、本人の後天的な努力だけでなく、家庭環境や周囲の状況も大きく影響しており、親ガチャの当たりハズレの評価にとどまらず、政策的な支援や周囲のサポート等を考えていくことが大切だといえます。
参考になるサイト
- Spaceship Earth|なぜ親ガチャという言葉が流行りだしたのか?具体事例も|https://spaceshipearth.jp/oya-gacha/
- withnews|「親ガチャで激論」に抱いた違和感「俺らのお遊びがこんな大ごとに」|https://withnews.jp/article/f0211108000qq000000000000000W0e110201qq000023850A
- 日刊ゲンダイ DIGITAL|「親ガチャ」を使うのは甘えなのか? 絶えぬ議論と厳しい意見に自立支援の専門家の言葉|https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/295636
- 産経新聞|岸田氏、「親ガチャ」流行に「寂しく、悲しい」|https://www.sankei.com/article/20210921-XFHNRBCND5JK3HXDHMNCTDUDNI/
- スポーツ報知|乙武洋匡氏、「親ガチャ」が象徴の現代社会に提言「どんなガチャを引いても豊かに生きられる社会にしたい」|https://hochi.news/articles/20210908-OHT1T51069.html?page=1