【M&A】ビジネスにおける企業合併・買収・事業譲渡をわかりやすく解説!

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M&Aとは?メリット・デメリットや話題の事例を考える

この記事では、M&A(企業の買収・合併)について、M&Aとは何か、件数の推移、種類、プロセス、メリット・デメリット、最近の事例などを解説します。経済の動きを理解する上で役立つ内容となっています。

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M&Aとは?

企業が事業の拡大や経営資源の確保などを目的として、他の企業と合併または買収を行うことを指します。

定義

M&A(Mergers and Acquisitions)とは、企業の合併や買収のことを指します。合併とは、2つ以上の企業が1つの新しい企業に合体することを意味し、買収とは、ある企業が他の企業の株式や事業を取得することを指します。

目的

M&Aには様々な目的がありますが、主な理由としては事業の拡大、新しい市場への進出、コスト削減、技術や人材の確保などが挙げられます。M&Aを行うことで、単独では実現が難しい成長を実現できる可能性があります。

歴史的背景

M&Aの歴史は古く、1800年代後半の第二次産業革命期に企業が大規模化する中で増加しました。その後、1960年代以降のグローバル化の進展とともにM&A件数は加速し、現代でも企業の重要な成長戦略の一つとなっています。

M&Aの件数とその推移

M&Aは世界的に増加傾向にあり、2022年には約6兆2,000億ドル(約680兆円)の規模に達しています。

世界のM&A件数の推移

世界のM&A件数は過去20年間で大きく増加しており、2022年には約6兆2,000億ドル(約680兆円)の規模に達しました。世界金融危機の影響で一時的に減少したものの、その後は再び右肩上がりの傾向にあります。

日本のM&A件数の推移

日本のM&A件数も増加基調にあり、2023年は1,783件を記録しました。特に中堅・中小企業によるM&Aが活発化しています。

業界別の傾向

M&Aが最も活発な業界は金融・医療・IT分野ですが、近年では自動車や電機など製造業でも活発化する傾向にあります。

M&Aの種類

M&Aには、株式取得、事業譲渡、会社分割などの形態があります。

株式取得

M&Aの代表的な形態として、買収企業が対象企業の株式の過半数を取得する「株式取得」があります。取得後は対象企業の経営権を獲得できます。

事業譲渡

対象企業の特定の事業部門や資産のみを買収する方法です。事業の一部のみを取得できるため、買収側のリスクを抑えられます。

会社分割

対象企業が自社の事業の一部を別会社として分社化し、その新設会社の株式を買収側へ移転する手法です。

M&Aのプロセス

M&Aを実施する際には、事前の綿密な調査と交渉、適切な法的手続きが必要不可欠です。

事前調査

M&Aを検討する際、最初に行うのが対象企業に関する詳細な事前調査です。財務状況や事業内容など、様々な情報を入手し分析します。

交渉

事前調査の結果を基に、買収価格など具体的な条件について両社で交渉を行います。交渉は複数回に渡ることが一般的です。

手続き

条件が合意に至れば、必要な法的手続きを経て最終的にM&Aが実施されます。株主総会の承認や公正取引委員会の審査などが必要となります。

M&Aのメリット・デメリット

M&Aには、事業の成長促進や経営の効率化などのメリットがある一方で、リスクもあります。

メリット

メリットとしては以下の3つが理由として考えられます。

事業拡大

新規事業や海外市場への進出など、単独では難しい事業拡大が可能になります。

コスト削減

重複部門の統廃合により、人件費や設備投資コストなどを削減できます。

シナジー効果

技術や人材、販売網などの経営資源を相互に補完し、相乗効果(シナジー)を発揮できます。

デメリット

メリットもある一方、デメリットもいくつか考えられます。

統合リスク

文化の違いから統合に困難が伴う場合があり、思わぬトラブルにつながるリスクがあります。

雇用への影響

重複部門の統廃合により、従業員の雇用に影響が及ぶ可能性があります。

企業文化の違い

経営理念や風土の違いから、社内の軋轢が生じるおそれがあります。

最近話題になったM&Aの事例

国内外で注目を集めたM&A事例を紹介します。

国内の事例

2022年12月に発表された日本たばこ産業(JT)によるロシアの紙巻き たばこ大手メーカーの買収(約2兆円規模)は、ロシア事業の強化を狙ったものです。

海外の事例

2022年1月に発表されたマイクロソフトによるゲーム大手アクティビジョン・ブリザードの買収(約6兆9,000億円規模)は、ゲーム分野での存在感強化が目的でした。

まとめ

M&Aとは企業の合併や買収を指し、事業拡大やコスト削減などを目的に活用されています。近年、世界的にM&A件数は増加傾向にあり、日本でも中堅・中小企業を中心に活発化しています。企業が成長を実現するための有力な手段ですが、適切な事前準備と統合プロセスが重要となります。

参考になるサイト

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政経百科編集部
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