【インサイダー取引】どこまで?家族・取引先も含まれる?問題・対策・事例

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インサイダー取引とは?わかりやすく解説!

この記事では、インサイダー取引の定義や問題点、具体例、対策、過去の事件などを解説します。企業不祥事の一端に触れられます。

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インサイダー取引とは?

インサイダーとは、上場企業の役員や従業員、主要株主など、企業の未公表の重要事実を知り得る立場にある人々を指します。

英語の”insider”からきているわけですが、重要事実を知り得る立場にある人が関わる取引がなぜ問題になるのか、詳しく見ていきましょう。

インサイダーの定義

インサイダーに含まれる人物は、公開されていない会社の内部情報にアクセスできる特権を持っている人物です。

法令で定められたインサイダーには、役員や従業員のほか、主要株主、取引先など、企業との関係性から内部情報を知り得る立場の人々が含まれます。一時的にインサイダーとなる可能性もあり、具体的な範囲は企業ごとに判断されます。

インサイダー情報の範囲

インサイダー情報には、企業の業績や経営方針の変更、合併・買収案件、新製品の開発、役員の異動など、公表前の重要事実が含まれます。

これらの未公開情報が株価に影響を及ぼす可能性がある場合、インサイダー取引規制の対象となります。

インサイダーに該当する立場

一般的に、インサイダーには、上場企業の役員や従業員、主要株主が含まれます。また、取引先などの外部関係者や、一時的に企業の重要情報を知った者なども、場合によってはインサイダーに該当する可能性があります。

インサイダー取引の問題点

インサイダー取引が横行すると、公平な投資環境が損なわれ、市場の公正性や企業への信頼性が失われてしまいます。

公正な市場の歪み

一般投資家が公開情報のみを基に判断するのに対し、インサイダーは内部情報を利用できるため、公平な投資機会が失われます。この情報の非対称性が市場の公正性を損ない、投資家の信頼を裏切ることになります。

投資家への不利益

インサイダーが優位な立場から株式の売買を行えば、一般投資家は不利な取引を強いられる可能性があります。例えば、インサイダーが業績不振の情報を把握した上で株式を売却すれば、情報を知らない投資家に損失が及ぶ恐れがあります。

企業への懲罰的な影響

インサイダー取引が発覚した企業には、課徴金や過料といった直接的な金銭的制裁のほか、企業イメージの失墜、株価の下落、優秀な人材の流出など、さまざまな打撃が及ぶ可能性があります。

インサイダー取引の例

国内外で実際にインサイダー取引事件が起きており、業界によっても発生傾向が異なります。

国内の事例

2023年4月、大手メーカーの役員がマイナス材料を知りながら自社株を売却したとして、金融庁から課徴金納付命令を受けました。2012年には証券会社の社員が未公表の業績予想を知った上で自社株を売却し、有罪判決を受けています。

海外の事例

2021年、米国の著名ヘッジファンド運用者が企業の重要事実を事前に入手し、不正な利益を上げた疑いで起訴されました。2022年にはEU域内の企業で、社員がインサイダー取引に関与したケースが発覚しています。

業界別の傾向

インサイダー取引は製造業や金融業でよく起こる一方、情報管理体制が整備されている企業ほど発覚リスクが低くなる傾向にあります。不動産や小売など一般投資家に身近な業界でも事例が見られます。

インサイダー取引への対策

企業や規制当局は、インサイダー取引防止に向けた様々な取り組みを行っています。

企業の取り組み

企業では、インサイダー取引を防止するため、情報管理体制を整備しています。具体的には、インサイダー情報にアクセスできる人数を限定する情報バリューの設定や、重要情報の取り扱いルールを定めた社内規程の策定などが行われています。

規制当局の監視体制

金融庁は、上場企業の重要事実の公表前後の株価動向や売買動向を分析し、インサイダー取引の疑いがある場合に立入検査を実施しています。課徴金の賦課や刑事告発なども行われます。

罰則の強化

近年、インサイダー取引規制違反に対する罰則が強化されてきました。2013年には法人に対する課徴金の額が引き上げられ、2023年4月からは個人の罰金刑が従来の2倍以下から5年以下の懲役刑又は500万円以下の罰金に変更されました。

VALU騒動

2011年に発覚したベンチャー企業VALUを巡るインサイダー取引事件は、大きな社会問題となりました。

事件の概要

2011年、ベンチャー企業VALUの幹部らが、同社の株価にかかわる重要事実を事前に認識しながら自社株を売却したとされる事件が発覚しました。VALUの経営陣ら複数人がインサイダー取引に関与した疑いがありました。

当事者の動機

VALUの経営トップは自社株の売却益を得る目的で、重要事実を意図的に隠蔽したとされています。その一方で、個人的な金銭的動機だけでなく、会社の資金繰りにも困っていた状況があったとされています。

裁判の行方と影響

VALUの元CEOを含む関係者数人が有罪となり、罰金や実刑判決を受けました。一連の事件を受け、企業の情報開示のあり方が見直され、上場廃止要件の改定なども行われました。また、投資家の企業不信にもつながりました。

まとめ

インサイダー取引は、一部の人々が企業の未公開重要情報を利用して不当に利益を得る違法行為であり、公正な証券市場の根幹を揺るがす重大な問題です。

企業や規制当局は情報管理の徹底や罰則の強化などでインサイダー取引防止に努めていますが、一般投資家の信頼を裏切る不正を根絶するには、あらゆる関係者の高い倫理観が不可欠です。VALUなどの過去の事例から学び、健全な市場秩序を守り抜くことが重要となります。

参考になるサイト

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著者について
政経百科編集部
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