社会・環境

【宗教二世問題】解決策はある?問題の現状を解説!

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宗教2世とは?信教の自由との関係や人生への影響は?

2022年7月の安倍晋三元首相の銃撃事件を受けて、取りざたされたのが宗教二世問題です。犯人の男性は母親が旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の信者であり多額の献金を行い、家庭が崩壊する経験をしました。犯人は安倍元首相と旧統一教会の繋がりを知り、犯行に及んだと言われています。

宗教二世をめぐる問題は、旧統一教会だけに限ったことではありません。ここでは宗教二世の何が問題なのかを考えてゆきます。

安倍晋三元内閣総理大臣と事件の概要については、以下の記事をご覧下さい。

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自分の意思ではない

前提の確認として日本国憲法第20条には「信教の自由」が定められています。宗教の信仰は自由です。しかし、宗教二世の場合は、生まれた時から親が信仰している宗教を信じるように求められます。そこには自分の意思はありません。ここが大きな問題だと言えます。もちろん成人であっても、マインドコントロール(洗脳)によって宗教の信仰を強要されるケースがあることも忘れてはいけません。

宗教の教えや教義の中には、法令に違反する行為や人権侵害を容認するようなものもあります。さらに宗教二世の人間はもともと、組織の外の人間と遊ぶなど、交流が厳しく制限される場合もあります。宗教の信仰の内容によっては、学校行事やパーティーに参加できない場合もあります。中には親から虐待を受ける、断食を強要される、食べる物の制限を厳しく受けるといったケースも存在します。

人生全般に渡って影響を与えてしまう

一般社会から隔絶した宗教二世の家庭で育った場合、社会や世間の一般常識や、コミュニケーションの技術を身につける機会が奪われる可能性があります。そうした宗教二世の子供が成長した場合、世間とのギャップに苦しむ場合も少なくありません。

進学、就職、結婚といった場合にも、宗教二世で育った来歴や、もともと身につけてしまっている価値観がネックとなってしまうのです。宗教や親から離れて、新しい人生や生活を模索しようとしても、自立が難しいケースもあります。宗教二世はその人の人生に大きな悪影響を与えてしまうのです。

見えづらい問題だった?

前の項目で確認した通り日本国憲法には「信教の自由」が保証されています。たとえば宗教二世の子供が、宗教の教えに従って学校に行かずに長期欠席を繰り返していた場合、学校や児童相談所が介入しようとしても「思想信条に基づいている」と親が答えてしまった場合、介入が難しかったケースが報告されています。

強い介入を行うと「信教の自由」の権利を侵害する宗教弾圧と取られてしまう可能性があったためです。それぞれの家庭によってしつけや教育方針が異なるケースはよくあります。宗教二世もそうしたものとして捉えられていた側面は否定できず、見えづらい問題だったと言えます。

2022年には厚生労働省が児童相談所の対応指針を全国自治体に通知しました。そこには「地獄に落ちる」など恐怖感を抱かせ宗教活動への参加を強要することは児童虐待にあたるといった具体的なケースが盛り込まれました。信仰の強要も児童虐待にあたると明確にし、宗教二世問題に対し行政が強く介入できる下地が作られつつあります

まとめ

宗教二世問題は、自分の意思に反して幼少期より信仰を強要された人々です。世間とは異なる価値観の中で育ったため、社会生活を送るにあたってギャップや悩みを抱えるケースが少なくありません。日本国憲法には「信仰の自由」が定められており、これは宗教を「信じる自由」ですが、宗教二世の子供たちには「信じない自由」も保証されるべきでしょう。

参考になるサイト

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政経百科編集部
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